〈熱いとか冷たいって何?〉たのしい科学〈温度のなぞ〉つづき②-楽しい学習・楽しい学力・楽しい教材・楽しい自由研究・楽しい学力向上

〈熱いとか冷たいって何?〉というテーマで綴った前項に、さっそくいろいろな反響をいただきました、ありがとうございます。しっかり校正して綴っていく時間的なゆとりがなく、パッと一気に書き込んでいるので読みづらいところもあると恐縮しながらも「ぜひ本にまとめてください」という話もあって光栄に思っています。「機会があれば」ということにしておいて続きをかかせてください。

 前回「では熱い冷たいって何?」と問いかけたのですけど、まだ読んでいない方はぜひもどって考えてみてください。

 古代ギリシャ4元素説について説明しました。

wikipediaに感謝を込めて参照

 そこに記した様に「これが正しいに決まっている」という支配の時代が世の中の発展を止めてしまったのです、人々が自由に考えを出し合ってたしかめあうことでしか時代は発展しないのです。

 もうすでに答えが分かっていることについても〈自分でそれを考える〉過程を経ることで、かならず賢くなっていきます。またそれはミステリー小説を読むかの様なワクワクどきどき楽しい過程です。

 前回の古代ギリシヤの〈四元素説〉のあと「すべて神様が決めたことだ、それに逆らう人たちは悪魔だ処刑するぞ」という様な強い支配の時代がやってきます、〈暗黒時代〉と表現されるほどに、人々は思考停止しなくてはいけない時代が長く続きました。

 そして西暦1500年ごろやっと〈神という強制〉から脱却できる人たちが自由に物事を考え、表現する様になりました、歴史では「ルネサンス期」とか「人間復興」とか言われているので、何のことだかよくわからなくなっているのですけど、生き生きとイメージできる様に説明すれば、そういうことです。

 古代ギリシャ時代から四捨五入して2000年くらいたって、やっと人々が自由にアイディアを出し合える様になったということです、長かった。

 その頃になって近代科学も発展をはじめます。

 西暦1700年ごろには、熱い・冷たいという〈熱〉についても自由に考えをすすめる様になってきました。

 その時に出てきたのが〈カロリック:熱素説〉です。
「熱いものの中には〈カロリック:熱素〉という流体がたくさんあって、そのカロリックが別の物質に移動して、その物質も熱くなる」という考え方・予想・仮説です。冷たくなるのはその逆向きの流れです。

 太陽にはカロリックが豊富に存在するということですね。火で熱するとカロリックがその物質にたくさん移動すると考えた様です。

 それは当時の多くの科学者たちが支持していて、1900年あたり、つまり今から200年くらい前まで普通に考えられていた説です。⇨ https://www.weblio.jp/wkpja/

 ラボアジェやラプラスといった有名な科学者たちも強くその正しさを主張しています。

 話は少しはずれます(読まなくてもつながります)。
 この〈ラプラス〉は数学者としても有名です。
 彼の著した「確率の解析的理論1812年」を読んだナポレオンが「どこにも神の御名がない様だが?」とたずねた時、ラプラスは「陛下、私は神という様な仮説は必要としないのです」と答えたという話は、私は好きなエピソードの一つです。

閑話休題!

 私たちの感覚からも、熱すると火から何かが移動した様に感じられないでしょうか。
 冷蔵庫で冷やすと、熱が抜けていく様には感じられませんか。

 ラプラスやラボアジェ(ラヴォアジェ)といった今でも有名な科学者たちも、そうとしか思えないと結論づけたのです。

 ではカロリック説は正しかったのか?

 いいえ、そういう〈流体〉は存在しませんでした。

 さぁ、いよいよ謎解きのクライマックスです。

 みなさんもぜひ自分の頭で考えてみてください。

 熱いとか冷たいというものの正体は何なのでしょう?

 間違ってもチコちゃんの様に「ボーっと生きてんじゃねぇよ」なんていいません。その予想はきっとたのしく賢くしてくれるに決まっているからです。

 続きは少し間を置いてから書くことにしますね、たのしみにしていてください。

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雨にも風にも負けず「たのしい教育」仲良し四人組@着地トラ@楽しい福祉&教育

 たの研の活動はコロナまん延防止措置の間も止むことはありませんと書いてきたのですけど、それは力あるスタッフ達のなせる技です。

 教材開発やこども達との接し方、地域の方たちとのフレンドリーな対応だけでなく、雨風の中のこの駆動力、他の組織では簡単に真似できないでしょう。

 そうやって広げている〈たの研〉の教材が、先日、那覇地区まで広がっていることが、ある先生にとどいた写真からわかりました。新春一月の教材「着地トラ」を、A小学校で実施してくれたようです。たのしさは伝染するのです。

 先日も、とてもたくさんの子ども達がやってきました、大忙しのあと、片付けを終えてホッと一息の仲良し四人組です、一人は写真を撮っています。元気で優しく力ある、私が信頼するメンバーです。

 また、ボランティアの方たちもとても明るく元気な人たちです。
 いつも感謝しています。

 この記事が公開される日(2/18金曜)は、沖縄市登川公民館を中心に、たのしい教材をたくさんの子ども達に披露することになっています。お近くの方はぜひどうぞ。こども達の学校からかえる時間に合わせて実施します。

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笑顔いっぱい:おじいちゃんおばあちゃん〈たのしい教育〉を思い切りたのしむ/老人会で盛り上がる

 某月某日、老人会の文化講演会に呼んで頂いて〈いつまでもたのしく学ぼう〉をテーマにたのしい教育をたっぷり味わっていただきました。

 当初「40~50人くらい集まるかというところです」ということでしたが、ふたを開けるとそれより遥かにたくさんの方たちが参加して下さった様です。ものづくりの材料をみると約70人くらかの方がたのしんでくれた計算になります。
 年齢は若い方のお顔も見え、上は90歳を超えた方までと幅がありました。

 司会の方が「講演会という名称ですけど、いっきゅう先生は、元々教師をしていたので、今日はきっと〈授業〉の様な形になると思います」という紹介をして下さったとき、おじいちゃんおばあちゃんが少し構えた様に見えたので、はじめに質問してみました。
「さきほど〈授業〉という紹介がありましたけど〈学校の勉強が好きだった〉という方は手をあげていただけますか?」

 皆無。

「お一人もいませんね」と話すと大きな笑い。
 時代をさかのぼるほど、厳しい教育を受けた方たちが増えていくのでそれは十分予測されます。教育に携わるものとして〈すみません〉という気持ちです。その分、力を入れて〈学ぶことはたのしい〉と感じていただきたいと思っています。

 たのしい教育研究所の授業は〈学校〉でも〈老人会〉でもほとんど変わりません。
いろいろなテーマをベースに
「たのしさがいろいろな問題や課題を突破する」
「予想して確かめる」
 という構成で1時間たっぷりとたのしんでいただきます。

 とりあげた内容は〈この美しい星でたのしもう〉です。
 宇宙から見た地球の映像にたくさん方たちが魅入っていました。

 これは〈人間が初めて空を飛んだのはどういう方法だったでしょう」という問題に予想してもらっているところです。
 おじいちゃんおばあちゃんたちが学校でやる様に予想したり意見を言ったりしてくれるのか、と心配していたスタッフもいましたが、その活気はかわりません。
 90歳の方から〈先生、生きているうちに地球上で無重力を体験したいのですけど、どういう方法がありますか〉という質問が来たりするほどです。

 実験を交えて、たくさんの拍手を受け、笑顔を見せてもらいました。

 これはまとめの部分で「この地球という美しい星で〈たのしむ〉ために〈子どもと仲良くなる〉ことがとてもおすすめ」ということで〈タマゴにーちゃん〉を作っているところです。
 喜んだこと喜んだこと。

 この写真は「ほらできたよ。よく動くでしょう。あなたのはどうね?」と話かけている様に見えます。

「いっきゅう先生、これ頂いてよろしいんですか?」
といろいろな方から聞かれて「もちろんです。ぜひこれで子ども達とたのしんでください。子ども達にも作ってあげてください」と答えると、とてもいい笑顔を見せてくれました。

 帰る時、ツエをつきながらもバッグに入れるのではなく〈手で大切に持って〉くれている姿や、早く家で家族に見せたい様な雰囲気が見えたりと、そういう姿嬉しかったです。

 授業の後、何人もの方たちが私のところに来てくれて
「先生、今日はとてもわかりやすくて、ほんとにいい時間でした」
「おもしろいではなく、たのしい時間でした」
「ますます元気でたのしい教育を広めてください」
という様な話をしてくれました。

 その一人Tさん(女性)が
「先生、わたし普通の人の半分しか学校を出ていないので感想を書くのは難しいから、直接お礼をいわせてください。
 今日は来てくれて本当にありがとうございます。
 今日の授業は、ほんとうにほんとうに良い授業でした。
 わたしは戦争もあって学校にはあまり行っていないですけど、その私にもとてもよくわかる、たのしい授業でした。
 先生が〈いろいろな人たちと仲良くなることもとてもたのしい〉と言っていましたが、90過ぎまで長生きした私の母親が〈家族とか人のいいところはどんどん自慢しなさいよ〉と言っていました。そのことと同じだと、母親のことも思い出していました」
という様な話をはじめとして、たくさんの感謝の想いを語ってくれました。
 聞いている私の目がうるうるしてくるほど嬉しい話でした。

 去りがたい会場でしたが、スタッフの皆さんにも感謝を伝え、さよならし、夜はカウンセリングの特別講座。明日は〈たのしい教育Cafe〉。充実を絵に描いた様な日々です。
 教師を辞めて研究所を立ち上げ、たくさんの方たちの〈笑顔〉と触れ合う日々の中で研究所の〈仲間たち〉のありがたさ、そして〈応援してくれる方たち〉のありがたさを感じています。感謝の気持ちは、ますます〈たのしい教育〉で笑顔を広げることでお返ししたいと思っています。
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科学的にみる科学的に考える時の大切なともし火としての原子論

 科学とは〈予想を立てて確かめること〉です。その予想を立てる時に大切な〈ともし火〉となる原子論についてお話したいと思います。
 みなさんはモノが燃えると重くなると思いますか、軽くなると思いますか、それとも重さは変わらないと思いますか?

しつもん:モノが燃えるとそのモノの重さは
 予想 ア 重くなる

    イ 軽くなる

    ウ 変わらない

    エ その他

 

どうして、そう予想しましたか?

 

 1697年 シュッタールというお医者さんが、ベッヒャーという科学者のアイディアを引き継いで「モノは〈そのものの灰〉と〈フロギストン(燃素)〉とがくっついてできていて、燃えると〈フロギストン〉が出ていき〈そのものの灰〉が残るのだ」という考えを打ち出しました。「フロギスント説」と呼ばれている〈仮説〉です。
 燃えるとフロギストンが出て行くわけですから軽くなってしまうというわけです。

 
 紙が燃えるとボロボロの灰になってしまい、少しの風でも飛んでいってしまいます。
 木も完全に燃えるとお線香の灰のような状態になってしまいます。
 たくさんの木々でおおわれていた山も火事になると、〈焼け野原〉という表現に見られるように、ほとんど何もない状態になってしまいます。
 紙や木からフロギストンが出て行って軽くなったと考えたわけです。

 たいていのことはフロギストン説で説明できたので、科学を研究していると人たちも、まだ誰も見たことのない〈フロギストン〉の存在は確かなものだと考えてきました。
 それにしても、なかなかいいアイディアですよね。

 ところが、いろいろ研究しているうちに、燃えると重くなっている物質があることが分かって来ました。
 スズなどの金属が燃えると重くなってしまうのです。

 これにはフロギストン説をよりどころとしていた科学者たちも困ってしまいました。

 そしてある時
・フロギストンはマイナスの重さを持っているものがあって、それが出て行ったら重くなる
・フロギストンが出て行っところに空気が入り込んで重くなる
という様ないろいろな説を考え始めました。

 しかしそれは科学とは言えません。〈解釈〉といって、次々出てくる実験事実を自分の都合のいいように説明しているのです。

 科学は〈予想〉⇨〈実験〉の過程で真実を見つけてきたのであって、都合のよい様に解釈してきたのではありません。

 

〈燃える〉ことを科学的に明らかにしたのはラボアジェ(ラヴォアジェ)という人物です。


 彼が〈燃える〉現象は〈酸素〉と激しく結びつく現象であることを科学的に証明したのです。興味のある人は図書館の百科事典や科学のコーナーで〈ラボアジェ(ラヴォアジェ)〉について調べてみるとよいですね。

 木や紙などが燃えると、その物質の中にある〈炭素〉と〈酸素〉が結びついて〈二酸化炭素〉となり、それが空気中に出ていくのです。ちなみにわたしたちの周りの物質には炭素がとても多く含まれていて、そのグループを〈有機物〉という名前で呼んでいます。木も動物も油もプラスチックも砂糖もアルコールもロウソクもプロパンガスも紙も有機物です。私たちが食べるものがあったら、それはほとんど有機物だと思ってまちがいありません。

 有機物が燃える現象を原子分子の目でみるとこうです。

有機物の中の〈炭素〉が

空気中の〈酸素〉と結びついて

 

〈二酸化炭素〉となって飛び出て行く


 有機物の中の炭素が酸素と結びつき、二酸化炭素となって飛び出て行くので軽くなるのです。

 金属などは有機物ではありません。
 金属が燃えると、酸素が何かと結びついて飛び出ていくのではなく、金属と結合します。そこで酸素が結合した分、重くなるのです。

 20世紀の偉大な科学者であるリチャード・ファインマンはこう語っています。

「もし世界規模の大変動が起きて科学的知識の全てが破壊されたとき、もしあなたが次世代にたった一文だけを伝えることができたとしたら、少ない言葉であなたはどんな重要な情報を伝えますか?」と質問されたことがあります。ファインマンは「全てのものが原子で構成されていると仮定する『原子論』を伝えます」

 現代の科学は全てこの原子論の考え方を基にしています。医学も宇宙科学も生物学も植物学も全てです。
 原子論と相反するものは間違っていると考えてかまいません。

 みなさんも〈原子・分子〉の見方・考え方に興味を持っていただけたら幸いです。 たのしい教育全力疾走RIDE(たのしい教育研究所)、みなさんの応援が元気の源です。一緒にたのしく賢く明るい未来を育てましょう。このクリックで〈応援〉の一票が入ります!