〈たのしい教育研究所〉夏の講座2024に参加希望のみなさまへ

 おかげさまで〈たの研/たのしい教育研究所〉の夏の講座は大人気で、すでにキャンセル待ち受付に入っています。

 少し探せば、企業や自治体などの無料講座が巷にたくさんあります。〈たの研〉の講座は映画料金ほどの参加費が必要になります(ひとり親世帯ほか経済的な事情のある方への参加費わり利引き制度もあります)。それなのに数日でSOLD-OUTとなります、とてもありがたいことです。ちなみに費用は全て持ち帰りを含む教材費や保険、会場費、その他雑費などに利用されていて、それを企業団体が支えてくれているおかげで、今の費用で実施することができます。

 リーフを配布して4日程度では、はじめに準備していた席が埋まってしまい、急遽、会場との確認調整で枠を増やすことになったのですけど、それもすぐに埋まってしまいました。

 そこで授業者とスタッフが揃って授業全体の流れを確認し、〈たの研〉の体験型の授業のたのしさをたもったまま開催できるように会場設定の構造を大きくかえて、さらにスタッフを増やし、参加者を受け入れられるようにしました。

 それもしばらくすると満杯となり、残念ながら、現在は3回目のキャンセル待ち受付の段階となりました。
 心苦しいのですけど、一方向型ではなく〈体験型でこそ味わってもらえるプログラム〉であること、参加者の満足度&授業メンバーが自分のプログラムをたのしく充実して展開できるための判断です、ご了承ください。

 広報のルーティーンとしてキャンセル待ちで入れなかった皆さんには、次回の講座を少し早目にお知らせすることになっています。

 たのしい教育に興味関心を持ってくださっていること、心から感謝いたします。

⇩☆⭐︎⭐︎☆⭐︎ たのしい本の紹介・たのしいブックレビュー ⭐︎☆⭐︎⭐︎☆⇩

 少しずつこのコーナーも支持を高めてきています。活字中毒を自称するほど本が大好きだった私いっきゅうが、これまでの推定読書量数万冊の中から、その日の記事に関わるもので「これは読者の方たちにもおすすめ」だという本を紹介しています。

 今回は〈体験型〉ということでこの本を紹介します、親子で一緒に実験しながらたのしむことができる科学絵本の名作です⇩

https://amzn.to/3Wiz1TL

⇧☆⭐︎⭐︎☆⭐︎ たのしい本の紹介・たのしいブックレビュー ⭐︎☆⭐︎⭐︎☆⇧

 

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③ 受講費、教材費、スーパーバイズなどの費用は全て、たくさんの方達へのたのしい教育の普及、ひとり親家庭など困窮した方たちへの支援に利用されています

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たの研の「たのしい読み語り」大好評/たのしい島言葉のレクチャーあり

〈たの研〉の活動は多岐にわたるので、分野ごとに担当がいます。出前読み語りの担当はミエ先生、たのしい読み語りのプロフェッショナルです。

 今週もたくさんの笑顔が生まれました。

 フクロウのフクちゃん(ミエ先生が声をかけると生きかえる不思議なフクロウ)と一緒に出かけていって、どこの子どもたちもグッと身を乗り出して話に入ってくれます。画像加工してあるのですけど右側の子どもたちの目の輝きがわかるのではないでしょうか。

 

 ミエ先生は「たのしい島言葉」も得意です、読み語りには、島言葉もおりこまれ、大きな声につつまれます。終わると、さっそく子どもたちが「にふぇーでーびる」とお礼を言いにきてくれたとのこと。

 ありがたいことに、バックアップしてくれる企業・団体が出てきたので、出かけやすい状況になってきているのですけど、いろいろな忙しさの中、調整が難しいので、希望する場合にはできるだけ早めにお問い合わせください。

読み語りといえば、まずこの一冊がおすすめです⇨ https://amzn.to/3zx2X5x

 

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歩くほどに楽しさが増える/バッタが松の葉を食べていた@沖縄昆虫野外観察図鑑

 先日、野山を歩いていると不思議な場面に出会った。これはツチイナゴ(バッタファミリー)かなぁ。タイワンツチイナゴの幼虫なのかもしれません。
 松の葉を器用に手で押さえて、もぐもぐと表皮を食べていました。

 人間がお菓子のポッキーを食べるみたいで、とても可愛い姿にみえました。

 表皮だけかじり取るように食べているのは、次第に自分の下のほうに松葉が降りていくことでわかります。
 まさに一心不乱に食べています。

 イナゴは「稲子」と書くこともあるくらいで、イネ科(イネファミリー)の植物を食べると言われていて、「松葉を食べる」と書いた文章に出会ったことはありません。

 実は松の葉も食べるんですね、まさかこの子だけが松の葉を食べるわけではないだろうから。

 周りにはイネファミリーの植物がいろいろあるので、食べ物がなくて松葉に手を出したわけではないでしょう。

 時間ができたら、イナゴをしばらく育ててみたいと思います。
 もちろん松葉を入れて。

 野山を歩いて心動かされなかったことはありません、自然は心のいろいろなチャンネルを開いてくれます。
 暑い日々でも野山ではたくさんの生き物たちがたくましく活動しています、みなさんも外を歩いてみませんか。

☆⭐︎⭐︎☆⭐︎⭐︎☆⭐︎⭐︎☆ たのしいbookレビュー ☆⭐︎⭐︎☆⭐︎⭐︎☆⭐︎⭐︎☆

沖縄の昆虫を調べる時の強力なツールが『東清二編著 沖縄昆虫野外観察図鑑 全四巻』沖縄出版1987年 です。35年以上前の図鑑とはいえ、これだけ充実したものはその後、出ていません。とはいっても、全てこれで解決するわけではなく、今回のバッタファミリーについてもしっかり同定することはできなかったのでwebを参照して「タイワンツチイナゴの幼虫かも」と書いたのですけど、まずはこの図鑑からスタートというのがよいでしょう。古本でも高めですけど、Amazonで入手できます⇨https://amzn.to/3LgsHpD

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長野県の教育の伝統②板倉聖宣の講演から@たのしい教育の見方・考え方〈後半〉

 板倉聖宣先生(仮説実験授業研究会初代代表/元日本科学学会会長/たのしい教育研究所 初期から支援者)の話の続き、長野県教育の泰斗〈渡部敏〉についてのです。未読の方は一つ戻ってお読みください。

 今でも教研集会などで実験をする人はほとんどいませんね。

 僕はある時、日本科学教育学会というところで話をした時に実験道具を持って行って、実験をして話したのですが.「ああ、実験道具を持って来て話をしてもいいのか!?」と言う人がいてビックリいたしました。

「科学教育では実験が大事だ!」とさんざん言われてきました。

 その〈全国教育者大集会〉でも「実験が大事だ大事だ!」という人がいるにもかかわらず、実験器具を持って来ない。

 日本人は「実験器具を持って来てもいいよ」と上からいわれないと持って来られないんですね…お上の思想に毒されております。

 それにもかかわらず渡辺さんは日本最初の教研集会に実験道具を持って行って見せようと張り切っておりました。

 しかし、そこには宮様が来ることになっています。
「宮様に水がかかったら大変だ」ということで実際には出来ませんでした。

 その集会では長野県代表と石川県代表が特に激しい対立をしました。
 何が大きな対立になったかというと「教育は国家的であるべきか、あるべきでないのか」ということについてでした。

 石川県代表は「国家的であるべきは当然」という論陣を張りました。それに対して長野県代表は「そうではない。教育は民衆の希望によって徐々に進展すべきものだ」と主張したのです。

 石川県は

「教師が家庭訪問をして、学校に子どもを出すように運動をすべきだ」

と主張したのですが、渡辺敏さんたちは

「そんなことはしてはいけない。教師は学校で授業をすればいいのだ。今多くの人たちが学校に子どもを出さないのは、経済的に豊かでないからだ。出せないのだ。それを無理して出させてはいけない。民衆が豊かになればおのずと学校に子どもたちを出すようになる」

という議論を展開したのです。

 長野県は江戸時代に小さな藩がたくさん集まった県です。

 石川県は加賀百万石の大藩でした。

「なんでも国家的に画ー的に考える」という石川県に対して「バラバラがいいのだ」ということを主張したのが長野県です。

 これは非常に対照的であります。

 その後、長島県は教育県として有名になりますが、その渡辺さんは信濃教育会の創始者の一人であります。

 渡辺敏の弟さんを浅岡ー(はじめ)さんといいますが、長野師範学校の校長として来て、この人が確か初代の信濃教育会の会長であります。

 渡辺さんは長野市の、はじめは長野町でしたが、長野町のあらゆる学校の校長でありました。今では考えられないことですが、長野長の全ての学校の校長ということは教育長と同じととです。

 実際に教育長と同じ役割を果たしました。

 自分が「こういう学校があるといい」と思うと勝手に作ってしまう。

 後で予算処置をさせるということで、今より遥かに自由に振舞って、1930年に亡くなるまで大変ユニークな仕事をしてまいりました。

 この渡辺敏さんの伝記については、「かわりだねの科学者たち(仮説社)」という私の本に詳しく書いてありますが、その本の半分ぐらいは渡辺敏さんの話になっております。

https://amzn.to/3VRxuUs

 私は長野にそういう伝統があるのをうらやましく思います。

 ここまで

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