ヘチマを糸瓜と呼ぶよりも○○を糸瓜と呼びたい

 読者の方からのたのしい便りの続きです。前回は〈ヘチマの語源〉についての意見について紹介しました。今回はヘチマの表記「糸瓜」について、です。

 ヘチマについての島言葉、表記についてはこちら⇨ https://tanokyo.com/archives/163470

 ヘチマは漢字で「糸瓜」、糸のような瓜と書きます。
 ちなみにトウガンは「冬瓜」、スイカは「西瓜」、カボチャは「南瓜」です。

さてヘチマの話、どうして糸瓜と書くのか?

ヘチマはナベを洗うタワシとしての利用価値が高かった野菜です。

 ナベ洗い⇨ナベ アラヤー⇨ナーベーラー

 ヘチマがそのまま熟していくと、タワシ状の筋が残ります。

 実際それは上質のタワシとして利用されていました、今でも使う人たちがいて、お店でも販売されています。

 拡大すると、まるで糸のように見えると思います。

 読者の方からの手紙にはこうありました。

もしも私がヘチマに漢字をあてはめるとしたら、「糸瓜」ではなく「繊瓜;せんうり」ですね。

垢すりのなーべーらーは「糸」というより「繊維」に近い感じがします。

「これぞ糸瓜」といいたいのは「ソーメンカボチャ」です。

残念ながらここ5年くらいは出会えていないが、中身は長い長い糸になっていて、私の好物です。見た目、その瓜こそ「糸瓜」と言う名にふさわしいと思う。

 ソーメンカボチャは知らないなぁ、調べてみましょう。

 これです。

 半分に切るとこんな感じです。
 特に糸には見えないな。

 茹でてから、手で揉んでいくと

 あらら、手品みたいですね。

  一本ずつが太いなぁ。
 まぁ、毛糸も糸だから、糸状の瓜といってもいいか。

みなさんはどう思いますか?

 読者の皆さんからのたよりは必ず目を通しています。

 世界観が広がるようなものは、こうやって記事に反映させています。
 みなさんも気軽にお便りください。

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楽しく島言葉(しまくとぅば):ヘチマの語源@読者の方から/予想するとたのしくなって賢くなる

 同じ沖縄に住んでいる熱心な読者のSさん(もしかすると離島在住)から、たいへん興味深い便りが届きました。以前このサイトに書いた「なぜヘチマをナーベーラーというのか?」の記事(https://tanokyo.com/archives/163470

《鍋:ナベ洗い》⇨《ナベ洗やー》⇨《ナーベーラー》に変化していったというNHK説

についてです。

 Sさんの説はこうです。

ナーは「庭、畑」
ベーラーは「へら:ヒラー」
 ⇨ナーベーラー(ヘラに似た瓜)

 なるほど・・・

 あのクネッと曲がった感じがヘラっぽいといえばヘラっぽい。

 ちなみに調べた限り、このSさんの予想は誰も指摘していない説です、おみごとです。

 人は自分が「さもありなん」と感じたり、大勢がそう言っているからという理由で「これが正しい」と判断することが多いでしょう。
 逆にいうと、自分の考えと相容れなかったり、今まで聞いたことがない説だったりすると、スルーしたり否定したりすることがあります。

 それはもったいない。

「その説は面白い!
 それが正しいことがはっきりしてきたら、ぜひまた教えてね」

と伝えましょう。

 特に子どもがオリジナルな説を出した時には、そうした方がよいと思います。

 人間がサルと同じ祖先から進化してきたということ、太陽が動いているのではなく地球が動いているということなど、はじめに言い出した人はみんなから相手にされなかっただけでなく、バカにもされてきました。

 もちろんSさんには「面白いと思います。その説の正しさがはっきりしたら、真っ先に知らせてほしいです」と伝えました。

 Sさんはヘチマを「糸ウリ」と表記することについても、私の知らない話を書いててくれました。

 それはまた別な項目で紹介します。

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すごい雲の写真@読者の方から/偶然というのはたのしい

 本島北部にすむAさんから「なんだかすごい景色で、思わず写真に撮りました。こんな曇ってあるんですね」というたよりが届きました。Aさんは私の〈野山さんぽのすすめ〉の記事に心動かされた1人です。

 その雲がこれです、私が野山さんぽで撮る写真より遥かに迫力があると思います。

 超巨大なタツマキのように見えたり、忌まわしい爆弾の雲をイメージさせたり・・・

 上中下段三層のコントラストもすばらしい。

 一つの大きな雲が全体を覆っているように見えていても、頭上の灰色の雲と正面の入道雲は別の塊でしょう。頭上の雲の視線の向こう側と入道雲の本体が明るく輝いていることで、それがわかります。もしも入道雲まで一体の巨大な雲なら、光は入り込まず、黒から灰色が視線の先をずっと覆っているでしょう。

 こちらから詳しく尋ねると〈北部から中部の方向〉に向けて撮ったことがわかりました。

 撮った日時を知って驚きました。

〈たの研〉のメンバーが金武町で仕事をして後、突然の雨に見舞われていた頃と一致していたからです。

 一つの大きな仕事終えて、珈琲を呑もうと夕暮れの彩りの空の下を歩きはじめると、空も街も夕暮れのやわらかな明るさに彩られているのに、突然どこからか隙間の大きな雨たちが舞い込んできて、傘をさして彷徨っていました。
 明るい街に雨、不思議な光景です。

 そうか、その巨大な入道雲が金武町から外れたところにあって、そこから雨粒が流れてきていたのか・・・

 その時の自分たちを二つの方向からながめる、不思議な感じでした。

 読者の皆さんからの便りは、全て目を通しています。量が多く、全てにダイレクトに返事はできていないのですけど、時期を経てこうやって記事に書いたり、資料を差し上げたりと、必ずなんらかのお返事は差し上げています。
 ぜひ気軽におたよりください。

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「誰がどう考えても環境保護は大切!」という共通認識が環境保護意識を停滞させるという逆説⇨「楽しい環境教育」が突破口

 前回、環境関係の講座の案内を載せたので、その続きとして書かせていただきます。
 今年度がスタートした頃、5月か6月ごろだと思うのですけど、沖縄の南部にある自治体の方から「〈ゴミ削減〉の取り組みで教育面にアプローチしたい、何かよいアイディアがないでしょうか」という相談がありました。

 たくさんあります。

 数々のアイディアの中から、具体的な話を二つだけさせていただきました。

 話した内容は〈たの研〉の情報保護法の観点から書くことはできないのでですけど、その話の中で、相手方が真剣にうなづいたはじめが、

「どこの誰が考えても〈環境保護は大切!〉という結論に至ることが環境保護活動を停滞させている」

 という話です、「うん、この方は環境保護活動と真剣に向き合っている」と感じました。

 環境保護についての取り組みに、「え~、そうだったのかぁ~、知らなかった」という衝撃はなく、「そうそう、大切なんですよね」ということで大きく心動かされることなくすすんでいく・・・

 推進する側は「大切さを知らせることで、きっと運動を進化させることができる」と考えるのですけど、それがなかなかうまく進まない。

 ところで、環境保護が強く叫ばれるようになったのは、今からどのくらい前のことだと思いますか?

 10年くらい前でしょうか、いやいや実は5~6年前でしょうか、もしかすると20~30年前からかもしれません。もっと前だったりして・・・

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 環境保護を世界に強く訴えたのはレイチェル・カーソンの『沈黙の春』だというのが環境保護に携わる多くの人たちの共通認識です。

https://amzn.to/4feqpEt このままでは化学物質の利用が増え、鳥たちの鳴かない沈黙の春がやってくる、という警告を勇気をもって発した先駆者が科学者レイチェル・カーソン(女性)でした。『沈黙の春』は文章も優れた名著です。
「出世や権力に左右されやすい男性に比べて、女性は命を守り育てるという本能的なものがしっかりとあるのかもしれない」学生の頃いだいた私の予想は、このカーソンの本を読んだあたりから芽生えてきました。

 出版されたのは1962年、今から60年前です。

 その頃から環境保護運動はじわじわと広がっていきました。

 60年経った今、環境保護はどうでもよいという人は皆無でしょう。行政側はがんばっていろいろな改善をすすめています。

 では現時点でも環境保護の意識は高まり、取り組みは地球環境を良くする方向で進んでいるといってよいのでしょうか?

 家庭ゴミは減ったけれど、地球の温暖化は進んでいます、つまり実質上の環境保護は全体として進んでいないと言ってよいでしょう。

 海洋ゴミの問題も深刻です。

 ではこれからの環境保護活動はどうしたらよいのか?

 答えははっきりしてると思います。
 レイチェルさんの心をそのまま受け継ぎつつ、ギアを一段高くして『たのしい環境教育』にシフトしていくことです。

 「そうか、たのしくすればいいのか!」そう考える人もいるでしょう。

 考えてみてください、学校で「たのしくしたい」と考えない教師は皆無です。
 それなのに、子どもたちの不登校はどんどん増えている。そして教師はどんどんメンタル面で追い詰められて、病休をとっていく。
 どうしてか?
 楽しくしようと考えても楽しく授業する力がついて来ない。
 あるいは「ご飯にフリカケをまぶすように、ちょっとした工夫をすればよい」と甘く考えていてうまくいかない。

「楽しさ」というのは、そのテーマの本質を突き、人の心を動かすものです。
 楽しくしようと考えるのは素晴らしい出発点ではあっても、本気でその方法を学んでいかなくては、子どもたちに楽しさを伝えることはできません。

 〈たの研〉は設立以前から、楽しさを追求してきたメンバーで研究と実践を重ねてきました、その歴史は40年です。そのポテンシャルと、開発してきた教材プログラムは簡単には凌駕できないでしょう。

  環境教育の話に戻りましょう、〈たの研〉の講座などで「たのしい環境保護」をテーマにしていないのは皆無です。
 最近の自由研究の講座で大ヒットしたプログラム『キッチン洗剤の除菌・洗浄効果をあげ、使用量は激減させる方法』もその一つです。〈たのしい教育メールマガジン〉で紹介したところ、その簡単な工夫に、多くの方たちが実践してくれています。
 キッチン洗剤のコマーシャルでみる「キュッキュ」という音は、この方法で聴くことができます。
 各家庭から出るキッチン洗剤の泡が激減するので、川や海の環境にとってよいことは間違いありません。
 いずれこのサイトで紹介しましょう。

 賢くたのしく優しい子どもたちが増えていくことで、きっと地球環境も良くなります。地球環境が悪くなる一方なら、明るい未来とはいえません。
 〈たの研〉は、一緒にたのしく元気に活動をすすめてくれる方たちが1人ずつ増えていくことをたのしみに、今日も元気に活動しています。

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