たのしい教育の発想法『程度を高くして学びたくなる授業を』@板倉聖宣

 はじめの頃、「たのしい教育」を面白おかしい教育だと勘違いする人たちがいました。教科書に入る前に、お笑いネタを披露するとか、手品を見せてから授業に入るとか、そういうものをイメージしていたのでしょう。

 たのしい教育は本格的な教育です。
 友だちと遊ぶこともたのしいけれど、勉強はやめられない。
 もっと学びたいと感じるようになる。
 夏休みより学校がたのしい、となる。
 そういう教育です。

 1991年に板倉聖宣先生(たのしい教育研究所 初期から支援者/仮説実験授業研究会初代代表/元文科省教育研究所室長/元日本科学史学会会長)が、こういう話をしてくれています。

 メルマガの最新号で紹介したところ、すでにいろいろな反響が届いています。
 初めの部分を紹介します。

程度を高くして学びたくなる授業を

東京・江東区中学校研究会1991-11

板倉
 私たちが子どもの時代には先生に権威があって刃向かうことはできませんでした。
 私は、それでも先生に刃向かえる友だちはえらいなぁと思っていました。
 私は刃向かいませんでした。
 ところが今は社会的にいろんなことが低下してきて、学校の先生の権威も低下してきました。子どもたちは以前よりたくさん反抗するようになりました。そのうちに〈反抗すること自体がおもしろい〉となっていって「学校の先生も大変だ」と思います。
 そういう中で「子どもたちに自分が教えている勉強に熱心になってもらう」「もっと勉強を好きになってもらう」ためにはどんな授業をすればいいのか?
 たとえば〈自然科学の教育〉ということを考えた時「教えている内容が難しいから子どもたちは勉強がわからないんだ」といわれます。
 昔は中学校には試験を受けて入りました。試験を受けて合格した子どもたち、頭のよい子どもたちが入ってくる、ある種のエリート校でした。しかし今は頭がよくない人も中学校へ入ってくる、だからそういう子どもたちに合わせて程度を下げなければいけない、という考えがあります。正面切ってそういうことはいわないまでも、実際にはそう思っている人たちがいます。
 ところが、いくら程度を下げていっても成績が上がらないという状況が起こっています。
 私はそもそもそういう〈程度を下げる〉といった考えが間違いではないか、と考えています。

 今では多くの子どもたちが「学校がおもしろくない」と思っています。それに対して「授業が分からないからだ、分かれば面白くなる」という人たちがいます。しかし私は「子どもたちが分かっても仕方がない」と思っているからではないか、と考えています。
 子どもたちに「分かりたい、知りたい」と思うような内容を教えること、これが現在の教育の改善の一番の問題だと私は思います。
 そう考えた時に、今の教育内容全体は全体的に程度が低すぎると思っております。
 だからもっと程度の高い内容を教えたらいいではないかと思っています。程度が高いとか低いとは一体なにか?
 テストに出てくる内容が程度が高いのだという人がいるかもしれません、でも必ずしもそうとはいえません。
 突然「私の名前をいってみなさい」なんて問題を出してもみんなできません、これはくだらない問題だからですね。(私の板倉聖宣という名前を覚えなきゃない)なんてのはこれは低級な問題です。みんなできませんけれども、できたとしても別に偉いわけではない。
 けれども本当に知るに値する人間のことを知るとなったら、これは楽しくなったりします。
 私は去年「電子レンジの授業」を開発致しました。「電子レンジ」っていうとこれ、難しいのか易しいのか分かりませんね。
 電子レンジで料理するんだったら簡単です、食べ物を入れてチンとすればいいんです。簡単に料理できるわけですから難しくはありません。
 しかし電子レンジの原理となるとなかなか分かりません。「そんなものは自分たちにわかりっこないんだ」と考えている方が多いですね。
 中学校あたりの理科の先生でも、電子レンジの原理はちゃんと理解できていない人が大部分じゃないかと思います。
 言葉では「あれはマイクロ波というのが出て中のモノが温まるんだ」というように説明はできるわけですけれども、言う方も聞く方も十分納得できてない。
 今、電子レンジはほとんどすべての家庭にありますよね、だけど電子レンジの原理は教えていませんね。
 皆さんの専門が必ずしも理科でない。いや理科はまったくごめんだということを承認した上で、これから電子レンジのお話をさせて頂きます。

 ここに電子レンジを持って参りました。
 電子レンジで料理を作るのは不思議じゃない、おいしいかもしれないけれど面白いというわけでもありません。
 でも電子レンジに入れちゃいけないもの、変なものを入れると、これはおもしろいんです。
 中に水を入れると温まります。
 なぜでしょうか?
 一つの答えは「温まるようにできているから」ということです。温まらなかったら電子レンジじゃないですよね。
 ではたとえばこれに卵を入れたらどうでしょう?
 水と一緒に油を入れたらどうでしょう?
 だいたい電子レンジに油を入れる人ってあんまりいないですね。

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梅雨でも楽しく野山さんぽ@楽しい面白い自由研究

 沖縄は梅雨で雨続きです。そういう中でも野山さんぽを楽しむことはできます。小雨くらいなら傘で、降ったりやんだりする中ならツバ広の帽子をかぶって、車に数分で戻ることができるくらいの距離で花たちを探すとよいですよ。

 今日は降ったりやんだりの天気の中、植物たちと親しみました。
 新しい発見を期待する自由研究です。

 これはオトギリソウ(弟切草)ファミリー(科)のビョウヤナギです。
 花火のような花だと感じました。

 
 テッポウユリもみつけました。

 柔らかな黄色のフヨウの花も咲いていました。

 シークワーサーの木には小さな実がなっていました。

 以前、パパイヤの木々をいくつも目にした場所では、たくさんのパパイヤが立ち枯れていました。
 調べてみると、ウリミバエの被害のようです。
 ゴーヤーなどの瓜ファミリー(科)だけでなく、パパイヤなどにも被害を与えていたのだということに驚きました。
 自然の中を歩くと残念なことも目にします。
 それもまた、自由研究です。

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たのしい教育Enjoy-Cafe 5月 来週実施します

来週5/29木曜日には『たのしい教育 Enjoy-Cafe」があります。
あと少し席が確保できるかもしれません。

教師だけでなく保護者の皆さんや教師を目指しているみなさんの参加も可能です。

友割もありますから、友人を誘っての参加もおすすめです。

 願っても祈っても楽しくはならないけれど、方法を学べば確実に良い方向に変わり始めます。
 希望する方はお問い合わせください!

https://www.secure-cloud.jp/sf/1728827306PbrafJuJ

 

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A.I.で遊ぼう プラス お勧め@フリー画像/パブリック・ドメイン

 A.I.での画像生成に関する質問が届いています。イラストや写真、ショート動画などを作成(生成)するのは比較的簡単とはいえ、こちらのイメージに近いものを生成・作成するのはとても時間がかかる上に、A.I.の方が「これ以上は無理です」というようにサジを投げてしまうこともあります。

 そんな時はweb上で似た画像を探して、それを見てもらいながら「この画像をクレヨン画で描いてください」と続けていくとうまくいくことが多いですよ。

 もう一つ、パブリックドメイン(フリー著作権素材)をそのまま利用するのもおすすめです。たとえばここ「パブリックドメインQ」⇨ https://publicdomainq.net/

 このパブリックドメインQにある画像をA.I.で変換してみましょう。

 たとえば川を行き交う小舟の写真があります。

 この画像をUPしジェミニ2.5Flushに「この図を水墨画のイメージで描いてくれませんか」と頼むと⇩

ChatGPTに「クレヨン画で可愛く描いてみてください」と頼むと⇩

 こういうことができるようになったので、私の書籍執筆が格段に楽になりました。

 みなさんもたのしんでみませんか。

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