楽しい授業に抵抗する優等生@たのしい教育の発想法

 最新のメルマガに書いた内容を少しだけ切り取ってし紹介します。板倉聖宣先生(たのしい教育研究所 初期から支援者/仮説実験授業研究会初代代表/元文科省教育研究所室長/元日本科学史学会会長)が1992年に沖縄に来て講演してくれた時のものです。

 私も経験があるのですけど、転勤して初めて持つ子どもたちの中で、優等生さんが、間違うことが怖くて問題の予想に手を上げないということが起こります。それに関する話です。

会場の参加者で「電気が通るもの通らないもの」という問題に予想を立てて実験したあと

 

板倉

 こういう授業は、ある種の子どもたちに嫌われることがあります。
 優等生です。
 優等生はいつも事前に予習して、答えを知っています。
 普通の授業だと予習をしてきて「はいはいはい」と手を挙げて常に当たる子どもが、こういう授業で答えがあらかじめわからないんです。
 これでは当たんないですね。
 優等生というのは「はいはいはい」と手を挙げて当たる喜びで授業に参加していることがある。
 普通の授業だったら予習をすれば絶対にできる子どもとできない子どもの序列が決まるんです。
 どの程度予習してきたかによって序列が決まっちゃう。
 私たちの授業では、それを崩しちゃうんですよ。
 どれが当たるか分んない。
 宝くじみたいにどれが当たるか分かんない。

 優等生は「俺は今まで格好良かったのに、当たんなくなっちゃった」これは悲惨ですよね。
 なので、そういう優等生は何時間か抵抗致します。
 手を挙げて失敗すると〈もうこんなくだらない授業やりたくない〉と怒ったりする。
 そして手を挙げなくなる。

 でもおもしろいんです。
 3時間か4時間くらいやると好きになります。

 優等生だって人間なんです、自分で予想を立てて当たりたいんですよ。
 うちで予習してきたり塾で教わったことを学校で当てる嬉しさより、自分でくないんです。
 そんなのは、ほかのやつに優等だということを示すことで嬉しいだけで、そんなに嬉しくないんです。
 それよりも自分が自分の頭で考えて予想を立てて、当たるかもしれない、外れるかもしれない、これが楽しい。
 でも初めの数時間だけは優等生がいる場合には抵抗があります。
 すぐに〈自分で考えた方が楽しい〉ということが分かります。

 優等生の姿を周りに見せつけるより、自分の本来の力で予想して確かめる、新しいことをワクワクしながら学ぶことの方がずっとたのしいということを実感してくれるわけです。

 そういう授業をしていると、日頃、宿題などをしてこないAくん、遊びが命、部活が命のBくんCくん・・・、その子たちの素晴らしさを優等生さんたちが気づいたり、逆に、ABCくんたちが優等生さんたちの素晴らしさに気づいたりするシーンに出会うことをたくさん目にします。

 ゆっくりみんなが仲良くなっていくことも、たのしい教育の魅力の一つです。
 興味のある方は『たのしいレンズの世界』を試してみませんか⇩

 

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楽しい面白い自由研究:捨てる紙で〈月桃紙づくり〉

 梅雨の頃は月桃の季節。記録的な梅雨の短さにも関わらず、野山には月桃がたくさん咲いています。

 夏の講座では『簡単楽しい再生紙』のブースも設置する予定です。

 以前から応用編として〈月桃で和紙風の紙づくり〉ができるだろうかと実験してみました。

 以前も書いたのですけど、どうしてこんなに簡単な〈和紙風紙作り〉を、10~20行程に分けて、それぞれで難しい技法が必要だというような説明をしているのだろうと不思議になります。教育に〈たの研/たのしい教育研究所〉の発想法が入っていかないと、創造的な人たちは育たないと思います。楽しまなくては想像的になれないからです。

 

 これが和紙風の月桃紙です。

 実験的にパッと作ったので、形の工夫などはこれからです。
 とはいえ、いい香りが漂う紙がすぐにできあがりました。

 撥水スプレーをすればコースターにも利用できます。

 〈たの研〉にはたのしめるプログラムが満載です。

 興味のある方は気軽にお問い合わせください。 

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問題:歩道に枝が伸びて実った果物は誰のものか?

 〈たの研〉の近くにとても大きなマンゴの樹があります。かるく5~6mあって、電線に届くくらい高くそびえています。

 この季節、マンゴの実がたくさんついています。

 歩道を進むと顔にぶつかりそうな位置にいくつも実っています。

 とられるとまずい、と思ったのでしょう、幹のある家の持ち主がビニールで覆ってあります。

 何百個というくらい実がつきそうなので、「1人おひとつどうぞ」と書くのもおもしろいのにね。

 それはさておき「顔にぶつかりそうなくらい実っているマンゴーは誰のものか?」考えてみませんか。

 マンゴは屋敷を超えて、こちらが日々歩く場所に「どうぞ」とばかりに実っているわけです。

 土地の所有権というのは〈地面〉だけでなく、その土地の上の部分にも生じます、地下にも生じます。
(土地所有権の範囲) 第二百七条 土地の所有権は、法令の制限内において、その土地の上下に及ぶ。

 自分の土地の上空に勝手に橋を建設することはできません、地下にトンネルを掘ることもできません。

 逆にいうと、自分の土地からはみ出て実っている果実に、その土地の所有者の権利は生じないとも考えられます。つまり歩道に伸びた枝に実ったマンゴは家主の所有権が及ばないと…

 みなさんはどう思いますか?

 問題
 歩道に伸びた枝に成った果物の実は?

 

 選択肢

 ア.木の幹のある土地の所有者のもの

 イ.木の幹のある土地の所有者のものではない

 ウ.その他

 

 どうしてそう思いましたか?

 

 もめごとが起こった時、法的な判断基準が必要になります、それが「民法」です。
 民法に(果実の帰属)という項目があります。

【民法】
(果実の帰属)
第89条
1 天然果実は、その元物から分離する時に、これを収取する権利を有する者に帰属する。

 法律というのは実にわかりにくい書き方をしていますね…

「これを収取する権利を有する者」というのは〈元物の所有者〉〈地上権者〉〈永小作権者〉〈不動産質権者〉〈使用借主〉〈賃借権者〉〈善意の占有者〉等です。
※「善意の占有者」とは「自分に権利があると信じ込んでいる、勘違いした占有者」のこと

つまり「枝が伸びている木の持ち主(土地の所有者等)のもの」だということです。

 たとえ枝や果物が私有地から出て、歩道(公道)の上にはみ出していても、木から分離していない限り、その果物は木の一部と見なされます。
 そして、その木は土地の所有者の財産です。
 通りすがる人が勝手にとってはいけません。

 そういう中でも「危険だから、じゃまだから」と枝を切ってもらうことは可能です。切ってもらった枝についた実の所有権も〈元物の所有者〉〈地上権者〉〈永小作権者〉〈不動産質権者〉〈使用借主〉〈賃借権者〉〈善意の占有者〉に存在します。歩行者や、せり出した土地の所有者には所有権はありません。

 ということで法的には判断がついたのですけど、こういう時こそ『たのしい教育』の発想法、《みんなが笑顔になる》という原理でいきたいものです。

 所有者の人と出会ったら『地上2m以下に実ったマンゴを一個200円で無人販売しませんか』と提案したい。

 タイミングよくその地主の方がこのサイトを読んでいたら、前向きにご検討ください(´ー`

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楽しい畑さんぽ@そうか、もう夏至が近いのか

 花を見て歩くことも楽しいのだけど、畑の野菜たちを見ながら歩くこともかなりたのしくて、おすすめです。

 沖縄のこの頃はマンゴの実りの時期で、ビニールハウスをみると、タワワに成ったマンゴたちが白い袋に入っている姿を見ることができます。 

 この写真がそうです。

 マンゴというのは自然に育てると、一つの枝にいくつも実がつきます。
 これは、あまり手をかけずに自然に近い状態で育てたマンゴです。
 伸びた枝から5個も6個も実がなっています。
 スーパーなどに並ぶマンゴよりかなり小さいサイズです。

 甘さはどうなんだろう?

 そうやって歩いていると遠くに陽が沈む美しい光を見ました。

 山並みに沈むところです、時間は19:15くらいです。


 考えてみるとそろそろ夏至の頃です。

 調べてみると6/21(土)が夏至、日没時間は19:25です。

 その日を境に、冬至(クリスマスの頃)まで日照時間が短くなっていきます。

 その太陽の動きにともなって、畑の作物たちもどんどん変わっていきます。もちろん野山の草花樹木も変わっていきます。

 たのしみです。

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