たのしい教育の発想法「子どもたちが〈学に値することだ〉と思えるものを教える」板倉聖宣

 久しぶりに板倉聖宣(文科省教育研究所前室長/科学史学会前会長)の発想を紹介します。たのしい教育研究所を真っ先に応援してくれた大切な恩人です。

 1976年8月 徳島市“四国ひと塾”で語った『楽しい授業をつくりだすための条件』の中の話です、仮説実験授業研究(仮説社)の第10集に収録されています。

 最新のメルマガで取り上げたはじめの部分を掲載します。
 部分的に紹介することもあり、私いっきゅうの文責でわかりやすく編集してあります。

「子どもたち自身が学ぶに値することだと思えることを教えるべきだ」というと「それを子どもたちに尋ねれば、マンガとか野球のやり方くらいだろう」などという人がいます。
「科学や漢字などが学ぶに値するとは子どもたち考えてくれない」と考えているわけです。
「そういう子どもたちに迎合するような教育なんてナンセンスではないか」となり「まともな教育ということの上から考えることだ、〈子どもたち自身が学ぶに値することだと思えることだけを教えるべきだ〉というのは問題にならない」というふうに考えるわけです。
 けれど、どこの国の子どもたちだって、親や先輩が、たのしいこと、そして役に立つことを教えてくれるだろうという期待感をもっているものです。
 たとえば音楽でも「こういう歌おしえてよ」という子どもはいるかも知れないけれど「ぼくたちが要求する歌だけおしえてよ」などという子どもはいないはずです。
 先生がいい教材を出してくれば「先生は、ぼくたちが知らないものを教えてくれた」と喜んでくれます。
 ぼくは他人と食堂へはいったときは「何を食べるか」という選択権を放棄して相手に選んでもらうのがふつうです、今まで私が食べたことのないものを食べたいからです。これはつまりボクの知らない世界がわかるかもしれないという期待がもてるからです。
「学ぶに値することはすべて子どもたちからえらんでもらえ」ということではないんです。
 何らかの意味で先生が子どもの信頼を得ていれば、先生から教わってはじめて「あぁ、こういうことを勉強してよかったなぁ、面白いなぁ」
「〈そんなこと知ってらい…〉と思ってたけど、ずいぶんおもしろいなあ」という世界がひらけてくる可能性がある。
 そういうので一番たのしいのは、今までこういうことがおもしろい、と思っていた以外に〈新しい世界/自分の知らなかった価値の世界がある〉ということに気づいたときではないでしょうか。科学などというものは「自分にとって今まで何の意義もないことだと思っていたけれども、学んでみたら案外そうではないなあ」「今までは無味乾燥で冷たいものだと思っていたけど、案外人間的なものなんだなぁ」とわかったら、これはたのしいでしょ。

 新しい学年度がはじまり、学校では二月目に入りました。

 子どもたちが喜んでくれる内容をぜひ、とりあげてみてください。

 板倉先生のたのしい教育に関する話に興味のある方、授業実践に興味のある方はまず「仮説実験授業のABC」を読むことをおすすめします。

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ばっけミソとツワブキみそ/北の植物、南の植物の違いをたのしむ②

 前回紹介した〈バッケ〉は「ふきのとう」、これは雪を押し上げて芽を出しているところ、沖縄では見ない植物ですね。

 このふきのとう、日がすぎていくとどういう姿になっていくのでしよう?

 沖縄の人たち以外はみんな知っているんだろうか?

予想

ア.このまま横に広がっていく

イ.このまま半球状に大きくなっていく

ウ.縦にのびていく

エ.その他

 静岡だったかな、雪が解けた春の頃、山地を歩いて「これは何だろう?」と立ち止まった植物がありました、八方に首を伸ばしている姿が独特です・・・

 これが〈ふきのとう〉の成長した姿だと知って驚きました。

 これが

 こうなって…

こうなる!

 ふきのとうの別名が〈バッケ〉だという話を前回したのですけど、まさに化けた感じがします。

〈ふきのとう〉というのは〈フキの薹(とう)〉つまり〈フキ〉のことです。
 
薹(とう)というのは茎が長くたちあがった状態をいいます

 フキノトウ/フキを沖縄で見かけたことがないと書いたのですけど、フキの仲間が自生してないのかというと、そうではありません。

 ツワブキはごくふつうに目にします。

 沖縄ではツワブキを食べる習慣はないと思います。
 でもよその県では食べているそうです。

 今度、ツワブキを使って〈ばっけミソ〉風に作ってみようと思います。
 美味しかったら紹介します、おたのしみに。

 

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ばっけミソ/北の植物、南の植物の違いをたのしむ①

 大好きな映画のトップ集団の一つが『リトルフォレスト』です、自然が好きな方へ強くおすすめします。

 その一コマに〈ばっけミソ〉が出てきて、次のシーンも気に入りです。

「ばっけミソってさ、一年くらいもつみたいだよ、冷蔵庫で」

「むりむりむり・・・、それまでに食べきっちゃう」

 どういうミソか?

 これです。

 何かまざってますね、東北で〈ばっけ〉と呼ばれている植物です。

 出張の時、手に入れることができたので食べてみると確かにおいしい。
 リトルフォレストを見て後、調べてみると〈苦味〉が特徴的だと書いてあって、それを楽しみにしていたんだけど、しっかりアク抜きしたようで苦味は感じませんでした。 ところで「ばっけ」って何でしょう?

 これです!

「ふきのとう」、〈ばっけ〉と呼ぶのはアイヌの言葉からという説や〈化けるから〉だという説があります。

 私は化ける説を支持します、その話はまた後で。

 雪の中から顔を出すふきのとうは、春を知らせてくれるだけでなく、新鮮な野菜が不足する季節に貴重な栄養となったのでしょう。

 これがフキノトウのつぼみたちです。

2分くらい湯がいて水につけアク抜きした状態がこれ、まるで芽キャベツのようにみえます。

 以前、出張の合間に歩いた山路で、この〈ふきのとう〉を目にして、とても嬉しく感じました、公式サイトに書いたかな、それともメルマガだったかな?

 その時は書けなかったのですけど、雪から顔を出している〈ふきのとう/ふき〉を沖縄でみることはないので、なじみがない分、いろいろな発見がありました。

 項(ページ)を分けて書きましょう。

追記:冒頭紹介した〈リトルフォレスト〉はマンガ原作で、そちらもおすすめです。

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願いや目標だけでは叶わない②/〈こども達の笑顔と元気と賢さと〉@たのしい教育のタクティクス(進め方)たのしい教育 enjoy cafe

 子どもたちの可能性を生き生きと広げていきたい、その願い・目標を叶える重要な一翼が「その方法を学ぶこと」です。

〈たの研〉の中堅・若手が中心になってスタートした《Newたのcafe》で、いろいろな教材をたのしんだ様子を紹介しましょう。

 これは漢字マッキーノです。
 漢字ビンゴゲームを独自のルールでたのしく賢く学ぶことができるようにしたプログラムです。

 

 これは母の日にむけてのたのしいものづくり、カーネションです。

 素材になっているのは何とキッチンペーパー、それを針金モールで束ねます。

 色付けなど全体の工程はメルマガで取り上げる予定です。

 算数で使えるゲームもありました。

 これはマルバツゲーム系。
 大人もたのしめます。

 この他にもゲームの紹介があったりで、たっぷりの内容です。

次回は5/30(木)’24  18:30~20:00 に実施します。
もちろん初めての方大歓迎です。
場所は たのしい教育研究所第三研究所(沖縄市登川マクドナルド向かい一つ奥)
人数 10名以内 若手から超ベテランの方までどなたでも

会費 1000円➕軽食代 200円
 ※飲み物とおにぎりを準備します

内容 特別支援の子も普通クラスの子も、どの子の可能性も伸ばして行ける教材をたのしく紹介します

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