段ボールレンガの自由研究 学校に広がっていく/楽しい環境教育@楽しい自由研究

 以前書いた、段ボールレンガ(レンガ風段ボール)が好評です。自由研究で独自に段ボールで作ったボールをたのしんでいる子がいるというので、O小学校の先生が、〈たの研/たのしい教育研究所〉の段ボールレンガを借りに来ていました。

 段ボールを濡らしてからミキサーにかけ、型枠である程度固めます。

 その後、天日干しでずっと乾かすと、〈たの研〉で段ボールレンガと呼ぶブロックになります。

 A先生は〈たの研〉の段ボールレンガを手にして、予想以上の硬さに驚いています。A先生のクラスの子もきっと、このレンガ風ダンボールに触発されて、さらにいろいろな自由研究をすすめてくれるでしょう、たのしみです。

 私としては、上からおもりで抑えてもっと圧縮して硬くしなくてはと思っているところです。

 こういうものが楽しい環境教育で、楽しい自由研究です。
 そしてこういう力が本物の学力だと言い切ってよいでしょう。

 興味のある方は気軽にお問い合わせください。

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「楽しい自由研究」google検索でトップページに入りました/たのしい自由研究「段ボールで種まき培土」実験

〈たの研/たのしい教育研究所〉の公式サイトがGoogle検索ワード『楽しい自由研究』でトップページに出てくるようになりました、つまりこのワードで検索すると10位以内に入ったわけです。

 大人気の「自由研究」ジャンルで〈学研〉や〈ベネッセ〉などに並ぶ位置ですから、小さな集団の快挙といってよいと思います。

 しかもこのサイトには〈楽しい授業〉〈楽しい野山さんぽ〉〈たのしい教育の発想法〉〈楽しいブックレビュー〉ほかいろいろな内容を書いているので、その中にあって自由研究関係でトップチームに入ることができたというのは、読者のみなさんが自由研究関連の記事も熱心に読んでくれているお陰であることは、間違いありません。

 心から感謝しています。

これまで自由研究に関するたくさんの記事を書いてきました、最近お便りが届いた記事でいうと、まずこの四つです。

二十日大根(ラディッシュ)は本当に20日で食べられるようになるのか

とっても簡単 和紙づくり(和紙風の紙づくり)

はてなマーク(?)の巨大植物/楽しい自由研究

夏より冬の星がキレイに見えるというのはカンちがいなんだろうか?/たのしい自由研究

これからも、楽しい自由研究の記事を書いて行く予定です、ご期待ください。

そもそも〈たの研〉の活動全体が楽しい自由研究だともいえますから、書く内容は日々生まれているといってよいと思います。

 今回は最新の自由研究の様子を紹介しましょう。

 最近思いついて「段ボールレンガ」づくりをしています、捨てる紙をだいぶ減らすことにつながります。レンガ状で頑丈なブロックを作ることができれば、それを並べて物置台にすることもできます。

 調べてみると強くプレスして固める方法はあっても、〈たの研〉のように紙繊維をバラバラにして自然に固める方法で試した方はいないようです。

 やってみましょう、工程そのものはシンプルです。

1)ミキサーで紙繊維をバラバラにして

2)ケースである程度固まったら ※天日で二日くらいかかりました

3)取り出して、さらに天日で乾かす

  

 ところがやってみると1週間経っても水気がぬけません。

 作り方はシンプルでもかなり時間がかかりそうです。

 まいったな・・・

 子どもの頃、ソフトボール大のどろんこボールをつくってみたら、ペシャンと潰れて半球状になり、軒下で乾いて固くなってしまったことを覚えています。三日四日くらいだったんじゃないだろうか。

 それが段ボールの塊だと、ぜんぜん乾かない・・・

「まてよ、これだけ風や日光にさらしても水分を維持しているということは、植物を育てることに使えるんじゃないか?」

 ホームセンターなどでは〈園芸用の土〉が売られています、この20Lの土で1200円くらいします。これが捨てる段ボールなどでできたら素晴らしい、そう思いませんか?

 ダンボールの原料はパルプという植物と古紙です。もちろん土のような養分は含まれていませんから、育つことがわかれば液肥などを加える必要が出てくるとおもうのですけど、まずはこの状態で植物が発芽したり、成長したりするかどうかです。

 水分を保持する力は抜群ですから、わたしは植物を育てることも可能だと予想しています。
 予想したら実験です。

 段ボール培土をつくって、タネをおきました。

 なかなか成功しない挿し木にも挑戦してみました。

 バラの枝を切って中にいれました。

 さて、どうなるでしょう。

 しばらくして、結果が出たら、このサイトで披露します。

 おたのしみに。

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教師でなくても役立つ〈インクルーシブ教育と合理的配慮〉の話@読者の方からの相談に答えて

 某県の教育センターで研修員として学んでいるという方から、以前ここに書いた「合理的配慮」についての記事に驚いたという話が届き、いくつか意見を交換しています。

 私が受けた講習の中で講師が「保護者の話を聞いてあげてください、それが合理的配慮なんです」と言い切ったことに驚いた

という記事です。

 その方とは共有できている情報なのですけど、教育関係者でなくてはよくわからないこともあったかもしれないと感じたので、それを補完する内容を書きたいと思います。

 インクルーシブ教育というのは、ハンディのある子もそうでない子も一緒に学ぶ教育です。

 文科省のサイトから引用しましょう。https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1321668.htm

日本での取り組み

 国連での「障害者の権利に関する条約」採択を受けて、日本でも共生社会を目指すべく、文部科学省は2012年に「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進」という報告書を発表しました。

 本報告書では、①障害のある者と障害のない者がともに学ぶ仕組みであること、②障害のある者が教育制度一般(general education system)から排除されないこと、③個人に必要な「合理的配慮」が提供されること、が必要であるとされています。
 2014年に日本は「障害者の権利に関する条約」を締結しましたが、2022年に国連は、日本では障害のある子どもの分離された特別教育が永続しているとして、日本に対して分離教育を止めるように勧告しました。日本においてインクルーシブ教育が十分に進んでいないことが、課題として浮き彫りになったのです。
 インクルーシブ教育を理解していくためには、通常の学校はインクルーシブな方向性を持たねばならず、全ての学校がインクルーシブであるべきと考える必要があります。

 また、インクルーシブな方向性を持つ通常の学校という存在が、差別的な態度と闘い、インクルーシブな社会を構築し、万人のための教育を達成する上での最も効果的な手段となり得るものであるとの認識も必要になります。インクルーシブ教育を理解して普及してくためには、まず、私たちの考え方自体から変えていかなければならないでしょう。

合理的配慮の義務化

 2012年の文科省報告書にもあった合理的配慮の提供について、日本では2016年に障害者差別解消法の施行により、どの学校においても障害のある子どもたちに必要な合理的配慮を提供することが求められるようになりました。私立学校における合理的配慮の提供は努力義務にとどまるものでしたが、2021年には障害者差別解消法が改正され、共生社会の実現のため、2024年4月よりすべての事業者において、合理的配慮の提供が義務化されました。これにより、私立学校においても合理的配慮の提供が法的義務になりました。

 「合理的配慮」というのは〈具体的な対処行動〉です。

 文科省のサイトにはこういう具体例があげられています。

 

別紙2 「合理的配慮」の例 https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1297377.htm

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とっても簡単 和紙(和紙風の紙)づくり@紙づくりはシンプル2工程/とっても楽しい自由研究

 学校に和紙づくり/紙づくりの外部講師がやって来たり、和紙づくり専門の先生がいたりして、何度かそれを体験したことがあります。

 和紙を作るなら、これこれの植物の皮を準備して

  • 樹皮を剥いで乾燥させた後、水で戻し、アク抜きや煮沸を行う
  • 水◯Lに原料をつけて一昼夜置く
  • この段階で不要な成分を取り除く
  •  繊維をほぐし、均一なパルプ状にするために叩いて砕く

というのが前段で、さらに複雑な工程がいくつも出てきました。

 平らな紙にする過程はまるで「自分だからできるんだ」くらいの説明をどんどん加えていくので、とても授業でやろうという気持ちにはなりませんでした。

 その後転勤したいくつかの学校に「とっても簡単に、牛乳パックで和紙風の紙を作ることがてきる」という外部講師が二、三回やってきました。

 県などの事業で派遣された方でした。
 ご存知のように学校の先生たちは忙しくて、誰も引き受けようとしないので、私が引き受けたりしました。

 本人たちは「簡単だ」とはいうのだけど、整理するとこんな工程になります。

  1. 牛乳パックを集める

    • 使用済みの牛乳パックを用意し、内側がコーティングされたものを集めます。
  2. パックを洗浄・乾燥

    • パックをしっかり洗い、中の残留物を落とします。完全に乾かしておきます。
  3. パックを解体

    • パックを切り開き、平らに広げます。縁を切り落として1枚のシート状にします。
  4. コーティング剥がし

    • 内側の薄いプラスチックコーティング部分を可能な限り剥がします。この工程で紙の質感が変わるため、丁寧に作業します。
  5. パックを小さく切る

    • ハサミやカッターを使い、パックを細かいチップ状に切ります。細かくすることで次の工程がスムーズになります。
  6. パルプ化(解繊)

    • 切り刻んだパックを水に浸し、一晩から1日程度柔らかくします。その後、ミキサーやフードプロセッサーで攪拌し、繊維をバラバラにします。これにより、ドロドロのパルプが完成します。
  7. 水槽準備

    • 水を入れた容器を用意し、そこにパルプを入れて全体を均等に混ぜます。
  8. 簀桁(すけた)ですくう

    • 自作の簀桁(すけた)や平らな網を水中で動かし、パルプを薄く広げてすくい上げます。これにより、紙の形が出来上がります。
  9. 水分を除去

    • 簀桁から紙の原型をそっと外し、布や新聞紙にのせて押し付け、余分な水分を吸い取ります。これを繰り返し、できるだけ乾いた状態にします。
  10. 乾燥・仕上げ
    風通しの良い場所で完全に乾燥させます。乾燥したら、紙を慎重に剥がし、必要に応じて形を整えたり装飾を加えたりします。

 私も子どもたちと受講しながら「なんて複雑な工程なんだろう… 昔の人たちはもっと簡単に紙をつくっていたに違いない」と考えていました。

たとえば今なら〈紙をミキサーでくだいて液状にする〉→〈伸ばして乾かす〉で紙になるんじゃないの?

 それから十数年過ぎて、楽しい環境教育の質問がいろいろ届き始め、その中であの頃の疑問、予想わ試してみました。

 さて、どうなったでしょう。

「そんな簡単にはいかないよ」でしょうか、「超簡単だった」でしょうか。

 これがその実験です。

 捨てる紙をミキサーで水とまぜてドロドロにする。

 

それを伸ばして1日乾かすと・・・

できあがり!

 インクがまざって灰色の紙になりました。
 味わいのある紙になっています。

 

 これは同じように作った段ボール和紙です。

   味のある和紙風の紙がとても簡単に出来上がりました。

 枠に流せば四角い紙にすることもできます。

 ノリもいりませんよ。

 白い部分が多い紙ごみを使えば白い紙ができあがります。

 細かい複雑な過程はとばして、まず人間がそれを発見した時の作り方を伝える、それが感動につながります。

 チャンスがあればたのしい教育Enjoy-Cafeで紹介しようと思います。

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