自由研究:こんなに陽の光が強く熱いのに、どうして植物は葉の色を濃くして黒に近づくような色合いになるのでしょう。熱で細胞がやられることはないのかな?/たのしい理科・楽しい植物学

 今週号のメルマガのはじめの章に書いた文章からはじめましょう…

 暑い日々が続いています。


 夏の強い光に雲がくっきり浮かび上がって迫力ある姿をたのしむことができます。
 このキリリとした雲と空との境界線を見てください、陽の光がとても強いせいでエッジがはっきり見えています。

 その強い陽の光を受けても、植物たちは凛と立っています。

 植物に熱中症対策は要らないのかな。
 日焼け防止も含めて植物の葉の成分から夏の日光対策を研究してもらえないだろうか。

 いっきゅう


 さっそく「私もそう感じていました、植物は熱に強いのですかね?」という便りが届きました。

 私も気になっているので調べてみました。

 まず取りかかりはChatGPTから‥‥  こう質問しました。

いっきゅう

夏の暑さはすごくて太陽に当たっていると肌がチリチリ焼けていく感じがします。それなのに植物は、夏の暑さが強くなってくるこの時期、さらに葉の色を濃くして、黒に近くなっていく感じがします。春は薄緑だったのに…
植物の細胞は紫外線や熱に強いのですか。

 ChatGPTからこういう答えが返ってきました。

植物が夏の強い日差しにさらされても葉の色が濃くなるのは、植物の細胞が紫外線や熱に対する独自の適応を持っているためです。

紫外線と植物の反応

  • 紫外線に対する保護: 植物は、紫外線から身を守るためにフラボノイドやアントシアニンといった化合物を生成します。これらの化合物は、紫外線を吸収し、細胞へのダメージを防ぐ役割を果たします。

  • 葉の色の変化: 夏に葉が濃くなるのは、クロロフィル(葉緑素)が増えることによります。クロロフィルは光合成に重要な役割を果たし、特に強い光を受けるとその量が増えることがあります。また、葉が紫外線や強い日差しから身を守るためにアントシアニンが増えることもあり、それが葉の色を濃く見せることがあります。

熱に対する耐性

  • 熱ショックプロテイン: 植物は高温ストレスに対処するために、熱ショックプロテインと呼ばれるタンパク質を生成します。これにより、細胞内のタンパク質が熱によって損傷するのを防ぎます。

  • 水分管理: 植物は、蒸散によって体内の水分を調整し、葉の温度を下げることができます。これにより、強い日差しによる過熱から細胞を守ります。

これらの適応メカニズムにより、植物は夏の強い日差しや紫外線、熱に対しても耐えることができるのです。また、こうした環境下での適応が、葉の色が濃くなる一因となっています。

植物には暑さや紫外線に対して、いろいろなプロテクトシステムがあるんですね。

その一つ「熱ショックプロテイン」について調べてみるとすでに何十年も前に研究がすすめられていて、製薬会社が商品化の開発もすすめていました⇩

注目されるHSP(ヒートショックプロテイン)

しおれたレタスを50度のお湯にしばらく浸けていると、シャキッとよみがえってくることをご存知ですか?これと似た現象が、肌にもあります。 それは、「HSP(ヒートショックプロテイン)」です。自らの力で私たちの肌を守ってくれるタンパク質であることから、私たち◯◯◯製薬所では「ブレーキタンパク」とも呼んでいます。

実はこのHSPにはたくさんの種類があり、私たちは、その中でもいくつかの代表的なHSPに注目しています。https://www.saishunkan.co.jp/labo/report/hsps/index.html

 一つの謎から、いろいろなことが見つかってきます。

 それはミステリー小説を読むようなたのしみです。みなさんも調べてみませんか。

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楽しく実践的な〈ものの見方・考え方〉@森博嗣『集中力はいらない』から/たのしい教育メールマガジン

〈たのしい教育メールマガジン〉で紹介している『たのしい ものの見方・考え方』の章は先生たちだけでなく、お母さんお父さんたちからも人気です。今週号は森博嗣(作家)さんの『集中力はいらない/SB新書』を紹介しようと考えています。久しぶりに読み直すと、やはりいいところ突いてくれている、とおもうところがいろいろあります。
 少しだけ紹介しましょう。

森博嗣

「集中」や「集中力」は求めるべきもの、高めるべきものと信じて疑わない社会的な傾向が既にあって、その理想に向けて鍛錬しなければならない、と教えられる。それに合う人はけっこうだが、僕のようにタイプが合わない人間には、むしろ逆効果になりかねない。

 自分に合った生き方をすれば良いだけのことだ、と言ってしまえばそのとおり。だが、言葉でいうほど簡単ではない。なにしろ、自分の本来のタイプが自分でもはっきりとはわからない。子どもであればなおさらだ。体重や視力のように測定器で測れるものではないから、本人以外には知りようもない。たとえば、運動神経のような肉体的なものは、外部から観察が比較的容易であり、客観的な評価も可能だが、集中のし方というのは、肉体的な特質ではなく、いわば頭脳の活動である。それを意識できるのは自分だけであり、たとえ自分自身であっても、簡単に見極められるものではない。

 運動に向き不向きがあるように、頭脳の働き方にも向き不向き当然ある。画一的な教育や指導を受けると、タイプの合わない人は、自分は間違っていると自己批判し、それだけでも多大なストレスを感じるだろう。酷いときには病気になり、不健康な結果を招くにちがいない。そうならないように、違うタイプの人間がいることを、まず知ってもらいたい。
 集中をやめると本来の力が生まれるそして、それ以上に、むしろ集中しないことで、機械にはできない人間本来の能力を発揮することもできる…

ここまで

 私は私なりの集中理論があります。

 それはいつか「たのしいものをたのしく生み出す力」としてまとめたいと考えています、ご期待ください。

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自由研究〈水と油と酢としょう油〉@たのしい教育を応援してくださる企業「ろうきん」に感謝を込めて

 先生たちの勉強会で身近な化学プログラム「水と油と酢としょう油」の実験をとりあげました。この先生たちがいろいろな処で化学のたのしさを伝えてくれるでしょう。

 これがその時のワンシーン、今回はそのための基礎になる実験をY先生が実演してくれています。

 ことわざにもあるように、水と油がまざらないことはよく知られていると思います。

 油としょう油は混ざると思いますか?

 以前、理科の授業でとりあげたとき〈混ざらない〉と予想するたくさんの子どもたちの中でSさんという女の子が

「しょう油という言葉には〈油〉ってついているでしょう、近い仲間だからだと思います。近いとすると二つは混ざると思います」

と自分の予想を発表してくれて、「確かにそうかも」と何人もの子が予想変更したことがありました。

 みなさんはどう思いますか?

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⬇︎

興味のある方はぜひ自分で実験してみてください。

 子どもたちと予想を立てながら、実験し、混ざるものと混ざらないものを確かめて、その理由の一つが実は〈分子のもつ電気の性質〉が大きいという本格的なもので、静電気とかエアコンをつけたりするばかりではなく、混ざるとか混ざらないという身近なところにも影響するという気に入りのプログラムで、ラストのお話に手をくわえれば、完成する段階まできています。

 さて、実演してくれているY先生の前には〈たの研/たのしい教育研究所〉を応援してくれている企業『ろうきん』の表示があります。
「ろうきん」がこういうところにまで力を出していくれるということを知らない方たちも多いと思います。
 そうではないんですよ、しっかり応援してくださっています。こういう活動ができることに感謝をこめて、いろいろなところで掲示させてもらっています。 

 いろいろなところで笑顔と賢さを生む活動に、企業・団体の力は必須です。

〈たの研/たのしい教育研究所〉の活動に賛同してくださる企業・団体のみなさんが、明るく元気な沖縄をつくる活動に一緒に力を注いでいただけたら幸いです。

 

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たのしい国語:うさぎの足跡 by 高村光太郎『雪の冬』から(つづき)

 前回書いた「たのしい国語:うさぎの足跡 by 高村光太郎『雪の冬』にたくさんの便りが届きました、嬉しいことです。要望もいろいろあったので、続きを書きましょう。

 雪に残されたうさぎの足跡がとてもおもしろい形をしている話の続きです。

そのウサギをとりにキツネがくる。

キツネは小屋のうしろの山の中にすんでいて、夜になるとこのへんまで出てくる。

キツネの足あとはイヌのとはちがう。

高村光太郎『雪の冬』から

青空文庫の大いなる努力に感謝して参照

「きつねの足あとはイヌのとはちがう」といわれても、そもそもイヌたちの足あとに注目したことがないので、興味が高まります。

 私と同じように調べてみた人たちからも画像がいろいろ届いています、感謝して一つ引用させていただきます。

 犬さんたちは人間との暮らしがとても長いからでしょう、緊張感のない足跡に見えてきます。
 おおらかさが足跡にも出ているというか…

 さて、キツネの足跡はどうでしょう、高村光太郎はこう書いています。

 イヌのは足あとが二列にならんでつづいているが、キツネのは一列につづいている。

 そしてうしろの方へ雪がけってある。つまり女の人がハイヒールのくつでうまくあるくように、一直線上をあるく。

 四本のあしだから、なかなかむずかしいだろうとおもうが、うまい。キツネはおしゃれだなあとおもう。

 

高村光太郎『雪の冬』から

青空文庫の大いなる努力に感謝して参照

 
「ハイヒールで歩く女の人」は映画で時々みるのでイメージできます。その足跡がどうなるのかなぁ、と思ったら・・・

 たしかに、スッと軽やかに続いている感じがします。

 こういう野生の動物の足跡をみると、犬さんたちの足跡との違いを感じてしまうのだけど、もしかすると祖先のオオカミたちの足跡は、もっとキリリとしたものだったんじゃないかなぁ。

 みんな哺乳類で、骨格の構造の基本は同じなのに、これだけ違った足跡をつけるというのはとても面白いことです。

 わかることが出て来るほどに謎、知りたいことが増えていきます。私の師の板倉聖宣に文学をたのしむ習慣はなかったけれど、生きていたら紹介してあげたかったな。

 動物たちの足跡のなぞ、というプログラムに発展するのかしないのかわからないけれど、たのしいことに違いはありません。

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