授業『投票率と民主主義』@たのしい社会

 先週のメルマガの発想法の章に書いた、私いっきゅうの『投票率』の話を授業にかけました、という便りが届きました。小学校6年生です。子どもたちから「え~」という声も上ったということで、高い評価だったとのことです。

 なるほど、授業にも使えるわけですね。
 これもたのしい教育プログラムの一つとしてまとめなきゃいけません。

 今回は、メルマガのはじめの部分を紹介しましょう。

⭐️ ⭐️ ⭐️ ⭐️

『投票率の話』

2024-06-18
たのしい教育研究所

はじめに(いっきゅう)
 今回の沖縄県議選の投票率も、とても考えさせられる結果になりました。私は政治から遠いところに身を置いて〈教育〉の世界で生きていく覚悟をしているのですけど、それは教育を通してよりよい社会、弱い人たちも元気な人たちもみんなが自分の可能性を伸ばして明るく生きていける社会が来てほしいからです。
 お金や権力のある人たちのための社会ではなく、普通の人たち、弱い立場の人たちが安心して生きていける社会になってほしいからです。
 病気や怪我をすると生活が成り立たたず、我が子の進学を諦めさせなくてはならないような社会ではない、リタイヤ後の心配がない社会です。
 そういう社会システムが構築されていくためにはごく普通の人たち、弱い立場の人たちにとっての政治が行われる必要があるでしょう。
 人々が政治に関心をもっているかどうかは投票率という数値でしっかり把握することができます。
 三年前に3回シリーズで投票率についての見方・考え方を書いたことがあります。
 今回は別の視点で書いてみたいと思います。

いっきゅう筆
「若者が選挙にいくようになるには」
担任・親の動きが決定的
2024-06-16

投票率
今月2024年6月16日に沖縄県議会選挙がありました、投票率はどうだったでしょう?
これがその結果です。

沖縄県議選、投票率は45.26% 過去最低

全国的にみると?
 沖縄県では有権者の半分も投票に行かないのが現状です。
 ではその状況は全国的にみてどういう位置付けになるでしょう?
沖縄県の投票率は全国的にみて〈最低ランク〉なのでしょうか、予想してみてください。
順位を的確に当てる必要はありません。47都道府県の真ん中あたりを21~27位くらいとして、沖縄県の投票率は真ん中あたりに位置するのか、それとも後ろの28~47位あたりか、意外にも高い方1~20位あたりかで予想してみましょう。
予想
 ア.投票率は高い方(1~20位)
 イ.中ほどの順位(21~27位)
 ウ.投票率は低い方(28~47位)
  ☆的確に当てたい方⇨(     )

 どうしてそう予想しましたか?




⇩⇩

⇩⇩

 

都道府県議会選挙の投票率を高い方から並べてみると

 沖縄県の投票率、約45%は全国17位、なかほどに位置する東京の〈42%〉より上のほうに位置しています。

 もっとも低い埼玉県の投票率は沖縄県より10%低く〈約35%〉です。
 半分以上の人が意思表示をしない、つまりどういう政策を推進しようとする人物なのか、半分以下の人たちの意思表示によって当選したり落選したりする現状は、ごく普通の人たち、弱い立場の人たちを含む全体にとってのよりよい政治が広がっていくこととは程遠い状況だといえるでしょう。
 問題はこの低さをどうしたらよいかということです。

 サイトではここまでにしましょう。

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子どものシャープな説明に感動@メルマガの論理問題を先生に解説する小学生

 メルマガの授業の章には国語・算数・理科・社会・図工・家庭科ほか、いろいろな教科ジャンルを載せていて、「毎週、子どもたちとたのしんでいます」という便りが届きます。記事の中では朝の会や帰りの会、夕食の家族だんらんの中でパッとりようできるクイズなども人気の一つです。

 先週「また、たのしいクイズなどの記事を書いて欲しいです」というリクエストが届き、昨日出したメルマガには『論理クイズ』を載せました。答えがパッとひらめく系というより、論理的に筋道立てて考えながら解いていく系の問題です。

 1週間分載せたのですけど、その一つがこれです。

問題2
池にスイレンの花が咲いています。

スイレンは1分経つと2倍に増えていきます。

水面がスイレンでいっぱいになるのに48分かかりました。ではスイレンが水面のちょうど半分になるのに何分かかったでしょうか?

 みなさんも考えてみてください。

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 すでに知っているという人がいるかもしれませんけど、間違う人たちがたくさん出る問題です。

 読者のA先生は、子どもたちと一緒に解いてみようと、子どもたちに問題を出したそうです。

 A先生の予想は「48分で水面いっぱいになるのだから、水面の半分なら24分」でした。

 それをクラスのBくんが「いや、27分です」と黒板で説明している動画が送られてきました。

 実にシャープな説明です。

 ちゃんと図にしながら説明していて、それを聞いたA先生が「あ~、なるほど~!」と感動した声をあげていました。

 先生が納得できるように説明できたBくんは、自分の可能性をグッと伸ばしたでしょう。

 子どもの説明に深く感動できたA先生もすばらしいと思います。

 こういう先生に受け持ってもらえた子どもたちは幸せです。

 Bくんのような子どもたちを増やす、A先生のような教育者を増やす、それがたのしい教育研究所の大きな目標です。

 来週の木曜日(06/27)夕方から『たのしい教育Enjoy-Cafe』があります。
 先生も保護者も歓迎です、興味のある方はお問い合わせください⇨http://tanokyo.com/me-ru

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楽しい教育の発想法@板倉聖宣「この教育の曲がり角は、いつからの曲がり角なのか?」月刊『たのしい授業』②

 前回からの続き

はじめての大きな曲がり角
この問題を解くカギは、曲がり角といわれるものが「いつからの〈曲がり角〉なのか」というところにあるように思います。

の後の話です。

 今から40年くらい前、「月刊たのしい授業」が創刊された当時の内容からです。

 今も発行されています、興味のある方は手にしてみませんか⇨ https://amzn.to/4cmHpH0https://amzn.to/4epAXkm

はじめての大きな曲がり角
 この問題を解くカギは、曲がり角といわれるものが「いつからの〈曲がり角〉なのか」というところにあるように思います。

 組合の集会などでは「敗戦後最初の大きな曲がり角である」というようなことがよくいわれるようですが、私の意見は違います。
 私も「曲がり角」であることは認めますが、それは「明治以来、日本で近代的な学校教育が始まって以来の最初の大きな曲がり角だ」と考えているのです。
 敗戦のとき〈天皇制教育がなくなった〉とか〈民主教育が始まった〉とかして、かなり曲がったともいえますが、私は「大きく曲がろうとしたが、結局曲がらなかった」と思うのです。
 明治末から大正期にだって〈自由教育〉というのが起こって変わったといえば変わったのですが、これも敗戦後の曲がり方と同じような意味で、変わり方が小さいのです。現在の曲がり角は、明治初期の大転換に匹敵するものだと思うのです。
 明治の初めには「欧米の先進文化を全面的に学びとる」という方針で、大転換が行なわれました。民主主義も学んだし、専制主義も学んだんです。これは外国にも例を見ないほど徹底したもので、そのパターンは以後ずっと続いてきました。
 そのための弊害も生じましたが「知識が大衆のものになった」ということはハッキリしています。
 知識人だけが学ぶならドイツ語でもフランス語でも英語でも学べるんですが、「全面的に学ぶ」というときには大衆が学べるようにしなければならないし、そうしてきたわけです。
 たとえば東南アジアの人が日本に留学して日本の大学の研究室にならんでいる本を見てまず驚くのは「これ、みんな日本語の本ですか」ということです。
 東南アジアの国々で少し専門的な勉強をしようと思ったら、みんな英語かなんかの本を読まなければならない。知識人と大衆が分離しているのです。
 日本の知識人というのは外国の本も読むでしょうが、たいてい翻訳されてますから日本語で読めるんです。
 今翻訳されていなくても、いい本なら、ちょっと待ってれば日本語に訳されて出ます。
 それは大衆も読もうと思えば読めるのですから、大衆と知識人といっても連続的です。
 これは明治の、一種の理想主義の成果だと思います。
 ただ、これほど急速にその成果をあげられたのは「いいものは外国にある」「外国のいいものを学べば「いいのだ」という徹底した考え方があったからでです。
 それは大正期の自由教育の時代にも変わらなかったし、敗戦後の教育改革でも変わりませんでした。

 ところがしばらく前から、とうとう日本が外国に追いついてきちゃって、どこを見まわしても「全面的に学べばよい」というような対象がなくななってきました。
 昔は、人によって理想の国がちがってましたから、イギリスなりフランス、アメリカ、ソ連、スイス、スウェーデン、西独、中国、など、いろいろな「理想の国」がありました。ところがいまはどこを見ても、部分的にはともかく、「全面的に学ばなければならない」というものがなくなってきているでしょう。
「あっちの方がいいに決まってる」ということがなくなったのです。
 これまでは、その時代の若い人たちはいつも「すでにある社会、文化、生産というものを超えたもの」を、単なる夢ではなく、どこかの国で実現されているものを日本に移し植えようとしてがんばってきたんです。
「それを学びとれば、必ず日本の社会がよくなる」という明るい展望がもてました。
 そうすることで確実に「自分のやっていることが日本のみんなの役に立つ」と考えることができたんです。

 日本が外国に追いついて、それができなくなったらどうなるか?
 年輩の人たちは「過去いつでもどこかに目標とするものがあったのだから、今でもどこか外にあるのじゃないか」という気でいますが、若い人たちはむしろ敏感に情況を感じとっているのではないかと思います。
 小学生はともかく、中学、高校生になれば、なんとなく「自分は将来どういうことをするのだ」ということを考えるでしょう、そういうことを考えはじめる時期ですね。
 ところが、かつてのおとなたちのような模範がない、ということに気づくわけです。
 それにもかかわらず、おとなたちは相変わらずの価値観を押しつけようとしたり守ろうとしている。
 「子どもの反乱」といわれるものの背景には、こういう情況があるのだと思います。

 

手さぐりで切り拓く時代
 子どもたちが学ぶことを拒否するようなことは、これまでの価値観からすれば悲しむべきことのようでもありますが、しかし日本人が「これまではなぜ学んできたのか」というと「外国に追いつこう」として学んできたのです。
 だから、これまでのような学び方では、これからはダメなんです、学ぶべきお手本がないのですから。
 では、どうしたらいいか?

 ここまでにしておきましょう。

 みなさんなら「これまでのような学び方では、これからはダメなんです、学ぶべきお手本がないのですから・・・」の後になんと続けるでしょう、考えてみませんか?

 その答えは、このサイトにたくさんちらばめられています。

 興味のある方は、さかのぼって読んでみてください。

 

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楽しいのが自由研究⇨問題「水と油と氷」@メルマガでとりあげた授業から

 自由研究についての記事がたくさん読まれる頃になってきました。そのせいもあるのでしょう、前回のメルマガ〈授業の章〉のタイトルに興味関心をもった方達からいろいろ問い合わせがとどいています。
 たのしく賢くなっていく教育に興味のある方はまず一年〈たのしい教育メールマガジン〉を購読してみてください。こどもたちと一緒にたのしく賢く元気になっていく方法、ものの見方考え方などを毎週学ぶことができます。県内だけでなく他の県の方たちにもたのしんでもらっている人気のメルマガです。

 さて「水と油と氷」という第266号の記事に興味をもってくれた方からとどいた問い合わせに答えて、紹介しましょう。

 前半を再校正して紹介します。

〈たの研/たのしい教育研究所〉の授業は特別な道具・器具や技術を必要としないものです、このプログラムも学校だけでなくキッチンでたのしむことができます。まず自分で予想を立てて実験してみて、これは子どもたちにも伝えたいと思ったら利用してください。その時には「たのしい教育研究所のプログラムである」と伝えてぐさいね。

はじめに

夏休みなので、キッチンで簡単にできる実験を紹介します。
コップと水と油と氷があればOKです!

みなさんは「水と油は混ざり合わない/混ざりにくい」という話を聞いたことがありますか?

はじめにこういう実験をしてみましょう。
そうです「まず予想を立てること」が大切です。

問題1
コップに同じ量の水と油を入れると、コップの中はどうなるでしょう。
水と油は上下にはっきり分かれるでしょうか、それとも混ざりあってしまうのでしょうか。
ホンの少しは混ざるとか虫めがねなどで確かめると混ざっていることがわかる、というようなことではなく、見た目で「ここは油が集まっている、ここは水があつまっている」というように分かれてみえるのかどうかで判断しましょう。

 予想
  ア 油が下、水が上
  イ 水が下、油が上
  ウ 最初に注いだものが下、次に注いだものが上
  エ 混ざってしまってどっちが上だかわからない
  オその他 右と左に分かれる・シマシマ状にわかれる など
   〔                       〕

 どうしてそう思いましたか?

実験1.

①まず油を注ぎました。


②次に水を注ぎます。

さぁ、どうなるでしょう、予想変更もOKですよ!

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 [結果]

真ん中あたりでハッキリと層が分かれていることを確認してください。
上が油、下が水とわかれています。

実験2

次は、はじめに水をそそいで、あとに油をそそいでみます。

2-① 水をそそぎました。

2-② 次に油をそそぎますよ、さぁ、どうなるでしょう。
 予想変更OKです!

⬇︎

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⬇︎

⬇︎

 [結果]
 あらら、何だかぐちゃぐちゃになっていきますね。
 もしかすると〈オ.その他〉が正しいのかもしれません・・・

 しばらくするとおちついてきましたよ⇩

今回もハッキリと〈油が上〉、〈水が下〉に分離しました。

 ⭐️結果⭐️
どちらを先に入れても、水が下、油が上になります。

問題2 水と油の入ったコップ(すぐ上の写真)の中に〈氷〉を入れてみましょう。氷はどうなるでしょう。

 予想 氷は
  ア コップの底に沈む
  イ 水と油の中間で止まる
  ウ 油の上の方に浮かぶ
  エ その他

 どうしてそう思いましたか?
 あなたの考えを聞かせてください。

 これは学校の先生たちを集めたワークショップでも、とてももりあがりました。
 興味のある方は、予想を立てて、自分で確かめてみましょう。

〈たのしい教育研究所〉夏の講座8/11(日)はたのしい自由研究の題材になるプログラムが満載です。来週あたりから申し込みがスタートする予定です。
 興味のある方は日程の調整をしておくことをおすすめします。

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