楽しい教育の発想法@板倉聖宣「この教育の曲がり角は、いつからの曲がり角なのか?」月刊『たのしい授業』②

 前回からの続き

はじめての大きな曲がり角
この問題を解くカギは、曲がり角といわれるものが「いつからの〈曲がり角〉なのか」というところにあるように思います。

の後の話です。

 今から40年くらい前、「月刊たのしい授業」が創刊された当時の内容からです。

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はじめての大きな曲がり角
 この問題を解くカギは、曲がり角といわれるものが「いつからの〈曲がり角〉なのか」というところにあるように思います。

 組合の集会などでは「敗戦後最初の大きな曲がり角である」というようなことがよくいわれるようですが、私の意見は違います。
 私も「曲がり角」であることは認めますが、それは「明治以来、日本で近代的な学校教育が始まって以来の最初の大きな曲がり角だ」と考えているのです。
 敗戦のとき〈天皇制教育がなくなった〉とか〈民主教育が始まった〉とかして、かなり曲がったともいえますが、私は「大きく曲がろうとしたが、結局曲がらなかった」と思うのです。
 明治末から大正期にだって〈自由教育〉というのが起こって変わったといえば変わったのですが、これも敗戦後の曲がり方と同じような意味で、変わり方が小さいのです。現在の曲がり角は、明治初期の大転換に匹敵するものだと思うのです。
 明治の初めには「欧米の先進文化を全面的に学びとる」という方針で、大転換が行なわれました。民主主義も学んだし、専制主義も学んだんです。これは外国にも例を見ないほど徹底したもので、そのパターンは以後ずっと続いてきました。
 そのための弊害も生じましたが「知識が大衆のものになった」ということはハッキリしています。
 知識人だけが学ぶならドイツ語でもフランス語でも英語でも学べるんですが、「全面的に学ぶ」というときには大衆が学べるようにしなければならないし、そうしてきたわけです。
 たとえば東南アジアの人が日本に留学して日本の大学の研究室にならんでいる本を見てまず驚くのは「これ、みんな日本語の本ですか」ということです。
 東南アジアの国々で少し専門的な勉強をしようと思ったら、みんな英語かなんかの本を読まなければならない。知識人と大衆が分離しているのです。
 日本の知識人というのは外国の本も読むでしょうが、たいてい翻訳されてますから日本語で読めるんです。
 今翻訳されていなくても、いい本なら、ちょっと待ってれば日本語に訳されて出ます。
 それは大衆も読もうと思えば読めるのですから、大衆と知識人といっても連続的です。
 これは明治の、一種の理想主義の成果だと思います。
 ただ、これほど急速にその成果をあげられたのは「いいものは外国にある」「外国のいいものを学べば「いいのだ」という徹底した考え方があったからでです。
 それは大正期の自由教育の時代にも変わらなかったし、敗戦後の教育改革でも変わりませんでした。

 ところがしばらく前から、とうとう日本が外国に追いついてきちゃって、どこを見まわしても「全面的に学べばよい」というような対象がなくななってきました。
 昔は、人によって理想の国がちがってましたから、イギリスなりフランス、アメリカ、ソ連、スイス、スウェーデン、西独、中国、など、いろいろな「理想の国」がありました。ところがいまはどこを見ても、部分的にはともかく、「全面的に学ばなければならない」というものがなくなってきているでしょう。
「あっちの方がいいに決まってる」ということがなくなったのです。
 これまでは、その時代の若い人たちはいつも「すでにある社会、文化、生産というものを超えたもの」を、単なる夢ではなく、どこかの国で実現されているものを日本に移し植えようとしてがんばってきたんです。
「それを学びとれば、必ず日本の社会がよくなる」という明るい展望がもてました。
 そうすることで確実に「自分のやっていることが日本のみんなの役に立つ」と考えることができたんです。

 日本が外国に追いついて、それができなくなったらどうなるか?
 年輩の人たちは「過去いつでもどこかに目標とするものがあったのだから、今でもどこか外にあるのじゃないか」という気でいますが、若い人たちはむしろ敏感に情況を感じとっているのではないかと思います。
 小学生はともかく、中学、高校生になれば、なんとなく「自分は将来どういうことをするのだ」ということを考えるでしょう、そういうことを考えはじめる時期ですね。
 ところが、かつてのおとなたちのような模範がない、ということに気づくわけです。
 それにもかかわらず、おとなたちは相変わらずの価値観を押しつけようとしたり守ろうとしている。
 「子どもの反乱」といわれるものの背景には、こういう情況があるのだと思います。

 

手さぐりで切り拓く時代
 子どもたちが学ぶことを拒否するようなことは、これまでの価値観からすれば悲しむべきことのようでもありますが、しかし日本人が「これまではなぜ学んできたのか」というと「外国に追いつこう」として学んできたのです。
 だから、これまでのような学び方では、これからはダメなんです、学ぶべきお手本がないのですから。
 では、どうしたらいいか?

 ここまでにしておきましょう。

 みなさんなら「これまでのような学び方では、これからはダメなんです、学ぶべきお手本がないのですから・・・」の後になんと続けるでしょう、考えてみませんか?

 その答えは、このサイトにたくさんちらばめられています。

 興味のある方は、さかのぼって読んでみてください。

 

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楽しく島言葉(しまくとぅば):子どもたちが島言葉の魅力を感じてくれるプログラムが勝負

 今年度もすでに〈たのしく島言葉〉の活動が始まっています、これは中部の小学校で、〈たの研/たのしい教育研究所〉のシンプル島言葉を紹介しているところです。

 

 〈しまくとぅば〉は琉球・沖縄の祖先が大切にしてきた「ものの見方・考え方」をタイムマシンのように届けてくれる素晴らしい文化遺産です。

 だから学ぶ必要があるというわけではありません、たとえば〈男尊女卑〉の発想を継続する必要はないでしょう。

 消えていくのはもったいなさすぎる琉球・沖縄の祖先たちがかつて大切にしてきた発想・哲学があります。言葉に残ったそういうものの見方・考え方をたのしく伝えていく活動、それが〈たの研〉の『たのしく島言葉』です。

 沖縄県にバックアップしていただいて取り組み始めて早3年に入ります。3年前から活動がはじまったのではありません、「たのしい教育」の歴史の中ではすでに20年以上前からスタートしています。
 その一つが20年以上前、私が恩納村の小中学校で勤務していた頃に実施した〈沖縄方言検定〉です。こどもたちも先生方も喜んで取組み、二次試験では地域のおばあちゃんおじいちゃんが試験官として協力してくれるなど、大きなもりあがりを見せた取組の一つです。

 これはその時利用した〈島言葉〉の問題と認定証です。

 なかなか合格できない子どもたちは祖父母の元をたずねて練習し、二回目三回目の試験で合格していきました。

 その後も「散歩しながら島言葉」「クッキングで島言葉」「海の生き物しまくとぅば」などいろいろな教材を開発し、こどもたちとしまくとぅばの楽しさと深さを味わってきました。

 こどもたちのものの見方・考え方がバージョンアップする、島言葉で明るくたのしく元気になっていく、そういう活動を全力ですすめています。

 応援してくださるかた、自分の地域でたのしいワークショップを実施して欲しい組織団体の方はご連絡ください。

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大人気;夏の講座〈自由研究で子ども も 親も 先生もたのしく仲よく〉事前告知/すでに問合わせが多数届いています

 〈たの研/たのしい教育研究所〉の夏の講座は多数の申し込みがあるだけでなく、早目の申込みが多いのが特徴です。毎回、可能な限りキャパを増やして実施していますが、それでも入りきれない方たちが出てしまいます。〈楽しさ度&理解度&安全性〉を優先すると仕方ない決断で、講座当日が近づくとお詫びする回数が増えていきます。

 実はすでに「夏の講座にぜひ参加したいので、期日など、わかっているところでよいので教えてください」という問い合わせがいくつも届き、事務局が少し慌てています。

 それをふまえて、いつもなら〈リーフの印刷&配布〉をもって告知がスタートするのですけど、実験的に早目に多くの方たちに夏の講座の広報をスタートさせることにしました。
 プログラムの正式名称や費用については、担当との最終調整が必要なので、もう少しお待ちください。とはいえ、価格高騰に対抗して押さえた費用で実施する予定です。もちろんいつものように〈おみやげ教材〉もしっかり準備する予定です。

 たのしい内容になることは間違いありません、「最近親子の対話が少なくなってさびしいな」と感じている方も、もっと仲良くなるきっかけになると思います。

⭐️期日:2024年 8月11日(日) 9:15受付 9:30〜12:45
⭐️会場: うるま市「うるみん」3F(あげな十字路近く)
⭐️対象:個人、親子(小学生以上)、教師、たのしい教育に興味関心のある方
⭐️参加費:物価高騰はますます進んでいるので前回より参加費を下げられるように調整中です。とはいえプレゼンと教材などの質は落とさないように工夫中です。今回は〈親子割引〉だけでなく〈友達割引〉も設定しました、「〈たの研〉の講座はとってもたのしいし、後でもう仕込むと満杯になっていることが多いから一緒に行こう!」と誘っておくとよいと思います。〈ひとり親世帯〉などの参加費割引もあります
⭐️内容:テーマは自由研究、それはつまり本物の科学・技術のたのしみです。全体でたのしむプログラムと選択制で自分の興味優先でたのしむプログラムの二つがあります。夏休みの課題という狭い内ではありません。親は子ども親類とたのしく過ごすプログラムを、先生は学校で子どもたちと仲良く、たのしく、賢くすごす方法をたくさん学ぶことができます
・いっきゅう先生のワクワクサイエンス(自由研究)
・選択制で3つ受講(水面の研究&アメンボウ、クラシックタイプのプラ板、Newバージョンプラ板、植物の不思議、衝突の科学 ほか)
・わくわく読み語り
⭐️講師:たのしい教育のエキスパートが担当します、たのしい教育の初期から活躍したレジェンドも登場してくれる予定です

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本をたのしむ「西堀栄三郎」その②

三日前に書いた「本をたのしむ」を読んでくれた方から、メールが届きました。
うれしいことです。

その方も、西堀栄三郎 について熱く語ってくれていました。
そこで「その②」として少し続けさせていただきます。

この写真の左の人物が若き日の西堀栄三郎、日本初の南極越冬隊の隊長となる30年以上前の写真です。
彼が高校生の頃の一枚です。
スクリーンショット 2015-05-06 14.02.05

西堀栄三郎、なかなか凛々しい人物です。
さて、右にいる人物にも注目してください。
誰でしょう?

アルバート・アインシュタインです。

英語が堪能だった彼は、来日したアインシュタインが「京都を観て回りたい」と希望した時、学生の身で通訳を担当しているのです。

彼は本格的なアウト・ドア人間で、山を愛した人物です。
山好きでなくても耳にしたことがあると思うのですが、

雪よ岩よわれらが宿り
おれたちゃ街には住めないからに

という「雪山賛歌」の歌詞を詠んだ人物でもあります。
ちなみに、曲は、「クレメンタイン」
オーマイダーリン、オーマイダーリン、
オーマイダーリン、クレメンタイン  です。

スクリーンショット 2015-05-06 14.01.23

彼の書いた本をもう一冊持っています。
「出る杭を伸ばす」です。

魅力的な人物「西堀栄三郎」。
興味ある方は、図書館でぜひ手にしてみませんか。
沖縄で、たのしい教育活動に全力投球している「たのしい教育研究所」です。

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