植物の生命力はすごい/ブロックの隙間に根を張り巡らせてそびえる樹木たち

 晴明祭(シーミー)の準備でお墓の掃除に行った時、以前からずっと気になっていた作業に取り掛かりました。

 うちのお墓の後ろはトンブロックが垂直に10m以上積まれています。

 トンブロックって、こんなの⇩

 お墓の後ろのトンブロックには、その隙間をはって樹木が勢いよく成長しています。台風などで倒れたらお墓を直撃して割ってしまうのではないかというくらい巨大です。

 何年も前から気になっていて、それをやっと今年手がけることができました。

 すでに上に登っているので下からみた映像はないのですけど、樹木は5m以上伸びていて、幹が20cm以上になる大きなものものもあります。

 写真はノコを手に下から見上げて撮ったものです。

 上にのぼって、その樹木を切る作業をすすめながら、植物の生命力のすごさを感じていました。

 普通の木々は、土に根を張ります。
 この木々は垂直のトンロックの隙間に根をはって、そこから水分・ミネラルを吸収して成長し続けているわけです。

 すばらしい。

 この生命力で、暑い日も寒い日も、雨の降らない日々も、台風の強い風にも負けずに生きてきたわけです。

 すばらしい。

 切った樹木は私のところに落下してきますから、慎重にすすめなくてはいけません。

 木々に敬意を表しつつ、作業をすすめていきました。

 今度は命綱をもっていかなくてはいけないな。

 そういえぱ以前、同じように壁をつたう巨大な木のことを書きました、あわせておたのしみください。

〈木の高さ〉と〈根っこの深さ〉の研究が広がって/木の根っこの広がり/植物の力-楽しい自由研究・楽しい学力向上

 

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ブルーベリーとそっくりな花(その2)/ファミリー(科)の見方・考え方

 さて、ブルーベリーとスズランの花が似ている、という話の続きです。未読の方は戻ってお読みください。

 私は〈似ている〉と思っているのだけど、ファミリー(科)も同じなのかは確かめてみなければわかりません。

 それと同時に「予想」を立てておくことが肝心です、楽しく賢くなるからです。

 私はスズランの花を直接みたのは30年以上前くらいなので、姿かたちをハッキリ思い出すことができません。なので〈花の形が似ている気がする〉レベルです。

 缶で育てたスズランでした。

 全体の大きさは20cmくらいだったんじゃないかな、ブルーベリーは1mを超すのであまりにも違います。とはいっても、缶で育てたら小さいままということは考えられます。

 ま、はっきりした記憶はないままにブルーベリーとスズランは『同じファミリー(科)』だと予想しておきましょう。
 違ってたら、それでまた賢くなります。
 しかもドキドキして楽しくなります。

 予想を立てたら確かめてみましょう。

 これは前回出したブルーベリーの花です。

スズランの花は?

 ・・・これです。

「のよりっこのブログ」に感謝して引用

 どちらも〈つり鐘〉〈ちょうちん〉のような花の形だとはいえ、つき方がどうも違う感じがします。
 思っていたより似てないな。

 もっと詳しく調べてみると、ブルーベリーの花びらは5枚が基部で合着して筒状になり、スズランの花びらは6枚が基部で合着して筒状になっています。
この《花びらの枚数の違い》はファミリー(科)を分ける大きな手がかりになります。

 ちなみにブルーベリーと同じツツジ・ファミリー(科)の「アセビ/馬酔木」も花びらの数は5枚です。

 もっと自由研究をすすめましょう。

 花びらの中のつくりを見てみますよ。

 これはブルーベリーの花の中です。

「トロピカルフルーツネット」に感謝して引用

 これは「スズラン」の花の中です。
〈シベ/蕊〉、おしべ・めしべの姿かたちがかなり違います。

「風の松原植物調査」に感謝して引用

 スズランもブルーベリーもメシベの数は1つです。※スズランのメシベの形をみると〈本〉と数えるより〈1つ〉と数えた方が自然です

 オシベの数は異なります。
 スズランのオシベは6本、ブルーベリーは10本です。※ブルーベリーはかなり改良が進んできてオシベが8本の品種もでてきています

  アセビのオシベも10本です。

《シベの本数の違い》もファミリー(科)を分けるとても大きな手掛かりになります。

 では、全体のつくり確かめてみましょう。

 これはブルーベリー、1m~2mくらいまで大きくなると書かれています。

free images USAに感謝して利用

 こっちはスズランです。全体の画像がなかなか見つからないのでwikipediaにある画像を載せましょう、全長15~20cmくらいです。

wikipediaに感謝して引用

 ブルーベリーは〈木本:茎が木質化して太くなる植物〉で、スズランは〈草本:茎が柔らかく、一年または数年で枯れる植物〉です。

 木本なのか草本なのかもファミリー(科)を分けるとても大きな手がかりです。

 もう一つ、葉の姿かたちに注目してください、…全然違う。

 葉の姿かたちもファミリー(科)を分けるとても大きな手がかりです。

 

 スズランは『キジカクシ・ファミリー(科)』の植物でした。
 ブルーベリー、アセビは前回紹介したように『ツツジ・ファミリー(科)』です。

「何となく花が似ているから、もしかして同じファミリー(科)なのかも」と予想して調べてみたら、ぜんぜん違うファミリー(科)ですね。

 それも〈予想〉を立てたからはっきりしたことです。

 しかも私自身がとても楽しく自由研究をすすめることができました。
「まあ、違うだろうな」という予想から出発しても、予想を立てて確かめることで確実に楽しくなります、賢くなります。

 おかげさまで〈たの研/たのしい教育研究所〉の公式サイトは、〈たのしい自由研究〉というキーワードでも、〈楽しい自由研究〉というキーワードでも10位以内に入りました。〈面白い自由研究〉の検索順位もどんどん伸びてきています。『学研』や『ベネッセ』、自由研究に特化したサイトなどに食い込んで、沖縄の一NPOが大きな結果を出したと思います。
 みなさんのおかげです、心から感謝しています。

 これからもよろしくお願いいたします。

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楽しい面白い自由研究『トウガラシの中にタネは何粒くらい?』@自由研究が本物の研究

〈たの研〉でトウガラシの中のタネを取り出して、発芽させようと準備をすすめています。
 これは中のタネを取り出したトウガラシの皮の部分です。
 サイズ的には普通で大きくもなく小さくもないくらいです。

 タネはゴマ粒くらいの大きさです。
 トウガラシの先にあるものがタネです。

 さてみなさん、トウガラシの中には何粒くらいのタネが入っていると思いますか?

とうがらしの中にタネはどれくらい入っているの?

 

予想

 ア.5~10粒

 イ.20~30粒

 ウ.50~70粒

 エ.80~100粒

 オ.その他

どうしてそう思いましたか?

 

 これが取り出したタネです。

 数えたら85粒ありました。

 はじめに普通のサイズだと書いたのですけど、大きめのトウガラシだと100粒くらい入っている可能性があります。

 みなさんの家のキッチンにもトウガラシがあるかもしれません、みつけたら確かめてみませんか。

 さて、これから何粒くらい発芽するかという実験がはじまります。

 すでに〈たの研〉には「この唐辛子の苗が欲しいです」という声が届いています。

 自由研究は大人にとってもやめられません。

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楽しい面白い自由研究から広がる世界〈最も古い劇はどれくらい前か?〉

 電子出版の2作目で『授業書@たの研:すごいぞ、レンズの力」を出そうと準備をすすめています。

 何年か前の夏の講座用に作ったプログラムで、おおよその流れは出来上がっています。今は出版するにあたってのファクトチェック(事実確認)をすすめて、4月には完成させたいと思います。

 今調べているのは、最も古い〈人間がレンズを利用したことがハッキリとわかる記録(文献)〉です。
 いったいそれはどれくらい前までたどることができるのでしょう?

 レンズという物体を探すのではなく、記録を探すわけです。

 世の中ではいろいろな「劇」が演じられています、ミュージカルも劇です。劇団四季ほかたくさんの劇団があります。
 学校でも学芸会などで「劇」が定番ですよね。
 劇には台本(戯曲)があって、同じものを何度も上演することができます。
 ちなみに私も学芸会の劇の戯曲(台本)を書いて監督をしたことがあります。

 さてみなさん、人間はどれくらい前から「劇」を演じてきたと思いますか?

 100年くらい前でしょうか、いやいや500年くらい前からでしょうか、もっと古くて1000年くらい前までたどるることができるでしょうか。いやいやそんなものではなくもっとずっと前でしょうか?
 日本だけでなく世界で考えてみてください。

予想してみてください。

 ア.100年くらい前

 イ.500年くらい前

 ウ.1000年くらい前

 エ.1500~2000年くらい前

 オ.その他

どうしてそう予想しましたか?

 ちなみに私いっきゅうは、学生の頃『文学論』の講義の中で、世界最古の劇は『日本の〈能〉』だと学んできました。
「室町時代に観阿弥・世阿弥の親子によって完成された日本を代表する舞台芸術が能だ
」というのは中学・高校で〈テストに出るぞ的〉に教え込まされてしまった知識です。

 「能」は今から1600年くらい前にたどることができますから、それが正しいとすると〈エ〉が正解になりますね。

 でも日本は中国からたくさんの文化が伝わったという歴史をみると、中国にはもっと古い〈劇〉があるのではないだろうか?

 レンズの自由研究をしている時に、実はその知識が間違いであったことを発見しました。

 実は「レンズ」のことが古い劇の台本つまり戯曲として残されています。

 アリストパネスの『雲』という劇で、実際に何度も上演されていたことをA.I.のディープリサーチ機能で発見しました。

 その英訳をweb上で読むことができます⇨https://classics.mit.edu/Aristophanes/clouds.html

 もちろんweb上には翻訳サイトもありますし、AIも翻訳は得意ですから、その気になれば中身を味わうこともできます。

 読んでみるとなかなか面白い劇です、ソクラテスを茶化した内容で、しっかりとレンズということばが出てきます。

SOCRATES(ソクラテス)

You mean a crystal lens.(つまり 水晶のレンズってことだね)

wikipediaに感謝して引用

 ストーリーの中で〈ロウをとかす〉ために使われていますから、機能としてもしっかりレンズのことといって間違いありません。

 ではそれが書かれたのはいつのことか?

 紀元前500年くらいです、つまり今から2500年前になります、古代ギリシャで演じられてきた劇です。

 私たちのイメージしている劇と重じであることがわかると思うので、はじめの部分の和訳を少し書き出してみましょう。

『雲』 ※アリストパネス作
紀元前419年執筆

 

【登場人物】
ストレプシアデス(STREPSIADES)
フィディッピデス(PHIDIPPIDES)
ストレプシアデスの召使い(SERVANT OF STREPSIADES)
ソクラテスの弟子たち(DISCIPLES OF SOCRATES)
ソクラテス(SOCRATES)
正論(JUST DISCOURSE)
不正論(UNJUST DISCOURSE)
パシアス(PASIAS、金貸し)
アミュニアス(AMYNIAS、別の金貸し)
雲のコーラス(CHORUS OF CLOUDS)

【舞台】
背景には2つの家が見える。一つはストレプシアデスの家、もう一つはソクラテスの**「思案堂」**(Thoughtery)。後者は小さくて薄汚れている。ストレプシアデスの家の内部が見え、2つのベッドがあり、それぞれに人が寝ている。

【第一場面】
(夜明け前、ストレプシアデスがベッドで寝返りを打ちながら独白する。)

ストレプシアデス
「偉大なる神々よ!この夜はいつまで続くのだ?
朝はまだ来ないのか?
鶏の鳴き声はとっくに聞こえたのに、奴隷たちはまだいびきをかいている。
ああ、昔はこんなことはなかったのに!
戦争め、呪われよ!
私にこんな災難をもたらすとは!
今や私は自分の奴隷すら鞭打てない始末だ。
それに、このろくでなしの息子!
夜通しぐっすり寝ているくせに、五重の毛布にくるまって、好き放題に屁をこいていやがる。」
(再び横になる。)
「さあ、私も寝ようとしてみるか……
いや、無理だ!
借金や家畜のこと、フィディッピデスのせいで増え続ける出費のことが頭から離れない!
あいつは長い髪の手入れや、馬車で見栄を張ることばかり考えている。
私はというと、月の終わりが近づくたびに支払い期限が迫って死にそうだ……
奴隷よ!灯りをつけて、私の帳簿を持ってこい」
(召使いが命令に従って明かりを持ってくる。)

 ね、劇ですよね。

 この頃から『雲』以外にもいろいろな人物による劇の台本が残されています。

 わたしはこんな軽やかでこっけいな劇が、これだけ古い時代から演じられてきたことに驚いてしまうのですけど、みなさんはどうでしょう?

 劇の歴史をもっと前にたどれないか?

 いろいろなサイトをみると

紀元前2500年頃 エジプト・アビドスの「オシリス神話劇」というのがあって、それが世界最古の劇です

と書かれているものもあります。
すると5000年前にたどることができます。
どこどこのなになにはもっと古い、というような記述もあります。
でもそれらはどうも「宗教儀式」のようなもので、踊りのようなもののようです。

 私たちがイメージする「劇」ではないと思うので、私にはその説はとれません。
 しかも「台本・戯曲」が残っているわけでもありません。

 レンズの自由研究が人間の文学的なたのしさの歴史にもつながります。
 いろいろなものはつながっているので、当然のことです。

 みなさんも自由研究をたのしんでみませんか。

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