楽しい環境教育「Hさんから教えらもらった肥料の話」@楽しい自由研究

〈たの研/たのしい教育研究所〉を食べ物面で応援してくれるHさんが、取れたての新鮮野菜をたくさん持って来てくれました。無農薬有機肥料で丁寧に育ててくれたもので、前日の雷雨の中、収穫して準備をしてくれたことにとても感動しました。

 さっそく、〈たの研〉のメンバーやご近所さんにお裾分けして、喜んでもらっています。

 Hさんは、楽しい環境教育の知恵袋で、〈たの研〉はいろいろな刺激をうけています。

1/3(2024)の記事でも触れたのですけど、植物たちにとって肥料は必須なのか?

植物には「窒素・リン酸・カリウム」が重要だと言われているのだけど、それは〈必須〉なのか〈あった方がよいもの〉なのか?
 そういった栄養がゼロの土の中では枯れてしまうのか、肥料というのは人間の食事に加えるサプリメントのようなもので、たくさん与えることで植物を強く大きくしていくような補助的な働きなのか、という問題です。

 それはみなさんでゆっくり予想して調べてていただくこととして、今回はHさんから教えてもらった肥料の話。

 〈たの研〉で生ゴミ堆肥肥料は、いつから使えるようになるのか実験中なのですけど、使えるまで2ヶ月程度と書いてあるサイトがあります。
 生ゴミ肥料、腐葉土などはよく発酵させる必要があるからです。

 どうして発酵させる必要があるか、というテーマは〈たの研〉版の授業書でしっかりまとめようと思っています、おたのしみに。

 さて2ヶ月程度発酵させる必要があると言われている生ゴミ堆肥なのですけど、Hさんによると、2週間くらいしたら畑の土の中に埋めておくと、そのまま発酵がすすんでいくので、おだやかに肥料の働きをしてくれるとのこと。

 地中なら、匂いの問題や虫たちが発生する問題などは気にしなくてよくなります。
 興味のあるみなさんは、実験してみませんか。

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楽しい理科@生物全体を重量でながめる -楽しい学力向上

 最近は〈たのしい環境教育〉の研究で、知人のIさんと「菌類」について調べています。Iさんから送られてきた動画をみて「これは生物の学習の基本中の基本になる知識だ」と感じた内容を紹介しましょう。

 以前、地球上の全生物の中の〈昆虫の種類〉をテーマに書いたのですけど、今回は生物の総重量(全てを足した重さ)についてです。
 NHKスペシャル「超・進化論」の中に出ていた話を授業で使いやすいようにプログラムしてみましょう。

 まず予想を立ててみてください。

問題

地球上には様々な生物が住んでいます。
動物、植物、微生物、菌類etc.
それらの生物の全ての重量は 約470トン(t)だといわれています。
そのうち〈植物〉は何%くらいだと思いますか?

予想
ア.25%(1/4)くらい

イ.50%(半分)くらい

ウ.75%くらい

エ.その他

 

どうしてそう思いましたか?

 

⬇︎

その予想が当たっても外れても

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予想を立てると賢くなる

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予想をたてるとたのしくなる
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お話:生物の総重量

どういう予想を立てたでしょうか。

〈植物〉と〈動物・微生物・菌類〉の重量を比較するわけです。

 ある先生は「半々くらいではないか」と予想してくれました。
「山の木には大きく重いものがあるけれど、海にもクジラとか大きな生き物がいて、山より海がずっと広いから、結果的にだいたい同じくらいになるのではないか」ということです。
なるほどなるほど

微生物や菌類はとても小さいけれど、地面の奥深くにもいるものまで合わせるとかなりの量になる気もしますから、動物・微生物・菌類たちの総重量が大きいかもしれません。

いやいや、やっぱり植物は密集して存在しているし何だかんだいっても植物の重量が大きいだろう、という予想も成り立ちそうです。

 予想変更したくなった方はどうぞ。

⬇︎

予想変更してさらに賢くなる

⬇︎

予想変更してさらに賢くなる

⬇︎

生物の総重量 約470Gt です。

そのうち動物と微生物、菌類を全て含めた重量は 約21Gt(ギガトン)だと考えられています。

とすると・・・

植物は約 449Gt です。

数字ではわかりにくいかもしれません、比率で図示してみましょう。

こうなります。

 

植物たちの圧倒的存在感は一目瞭然です。

 種類でいえば◯◯が圧倒的に多い(興味のある方は記事検索で「たのしい生物学入門」とうち、読んでみてくださ(4)に載っています)。

 重量でいえば◯◯が圧倒的に多い

というように生き生きとイメージできると、本質的な学力になっていくでしょう。

それは間違いなくたのしく使える学力です。

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楽しい理科・アスパラガスの花と実で理科をたのしく②

 前回の記事を読んだ方から「アスパラガスがあんなに小さな可愛い花をけるとは知りませんでした、驚きました」という感想が届いています。

 小さな花のかすみ草はプレゼントの花として人気があります。

 

 アスパラガスの花も花が多い品種を育てていくとプレゼント用になるのじゃないかと思うのですけど、どうでしょうか。

 さて、前回の問題「アスパラガスは何の部分か」という話!

 全体としてみると〈若い茎〉の部分だというのが正解です。

 でも、あのウロコ状についているポツポツが気になりませんか。

 これがとても面白いんですよ。

 このウロコ状のものは何だと思いますか。

「葉」のように見えますね、そこから枝が伸びてくるようにも見えます。

 アスパラガスの枝と葉は、この写真の花の周りの部分です。さっきのウロコ状の部分から枝や葉が伸びていくんではないんです。

 ウロコ状の部分は仮葉枝(かようし)と呼ばれています、変な名前ですね。
 仮の葉、仮の枝というネーミングです。

 少し専門的になるのですけど進化の多様さにもつながるおもしろい現象なので、東京大学の理学部の研究を紹介しましょう。https://www.u-tokyo.ac.jp

アスパラガス属の植物は、葉が鱗片状に小さく退化し、枝を生じるべき位置に仮葉枝と呼ばれる葉のような形の器官をつくります。

また、光合成も主にこの器官で行なわれています。

この仮葉枝は、形や機能の面からもまるで葉のようでありながら、その生じる場所は枝の位置であるために、葉とも、枝の変形とも解釈することができ、植物の地上部の形の多様化の一例として興味深い研究対象です。

 

東京大学大学院理学系研究科の塚谷裕一教授らの研究グループは、仮葉枝を用いた形態学的および発生学的解析から、仮葉枝は葉および枝、そのどちらとも異なる特殊な器官であることを見いだしました。加えて分子生物学的解析から、仮葉枝では枝が発達する時にはたらく遺伝子の他に、本来は葉ではたらく遺伝子群が発現していることも明らかにしました。さらに、形が異なる仮葉枝では、この葉ではたらく遺伝子の発現パターンが変化していることも明らかにしました。

 

これらの結果から、アスパラガス属植物の仮葉枝の起源は枝であり、本来、葉ではたらく遺伝子群が枝に流用されることで葉状の形となったこと、その遺伝子群の使われ方が変化することで、属内の仮葉枝の形が変化したということを示しました。

 つまり
「アスパラガスのウロコ状の部分は、もともと枝だったのだけど、葉の遺伝子たちが混ざり込んで、葉のような形になった」
 というわけです。

 自分の個体の中で遺伝子が混ざり合って今までにない器官になったというのは不思議な感じがするのですけど、本来「生物にはいろいろな変異が生じて、その形質がたまたま周りの環境に適していたら生き残り、環境に適さないと生き残れない」というのが進化です。

 アスパラガスもその不思議さをしっかり刻みつけているわけです。
 おそらくそのウロコ状の部分は弱々しい若茎の前の部分をガードするのに適していたのかもしれませんね。

 アスパラガスをきっかけに、もっと学びたいという人たちが増えていくと嬉しいです。

 そうそう、もう一つアスパラガスの「実」の話が残っています。
 どんな実なのか予想していてくださいね。

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楽しい理科・アスパラガスの花と実で理科をたのしく①

 今回は、たのしい理科(楽しい理科)をテーマに書いてみましょう。五年生の理科に「花から実へ」という単元があります。最近、野山さんぽの時、畑でアスパラガスを見ることができました。
 新しい発見があって、すぐにたのしい授業プログラムの構想ができあがりました。

 私が教師を続けていたら、すぐに子どもたちにこういう話をしたでしょう。

 アスパラガスというのは、スーパーなどで売られている、美味しく味わえる野菜です。

wikipediaに感謝して参照

 さて、私たちが食べるアスパラガスは花でしょうか、実でしょうか、葉でしょうか。
 それとも別な部分でしょうか、みなさんはどう思いますか?
 そうです、予想を立てる外れても当たっても賢くたのしくなります、まずみなさんの予想を聞かせてください。

 

予想:これはアスパラガスの〔      〕だろう!

 ア.花
 イ.実
 ウ.茎
 エ.葉

 オ.その他〔          〕

 

 どうしてそう思いましたか?

 これは花さんぽで私がみつけたアスパラガスです。
 私たちが食べるアスパラガスの姿とはずいぶんちがいますね。
 違う種類だというのではありまんせ、私たちが食べているのと同じアスパラガスです。

畑の持ち主がそのままにしてあったのでしょうか。
もしかすると「タネ」をとろうと考えているのかもしれません。

 花も見つけました、はじめてみたのですけど、とても小さな可愛い花です。
 おそらく皆さんの中にも「はじめた見た」という人が多いと思います。

 さて、問題の、わたしたちが食べている部分はアスパラの何なのでしょうか?

 ここまで読んで予想変更したくなった人はどうぞ。

 次回に続く

 

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