最新メルマガから=第715号@板倉聖宣の発想法 🟧素直な考え方からは科学は生まれない

今日はメルマガ発行日です。
このサイトの読者の皆さんには
この日をとてもたのしみにしてくださっている
方たちがたくさんいます。

前回の流れは少しパスして、
メルマガの内容を紹介させていただきます。

💫 ⭐️ 💫 ⭐️ 💫

はじめに
大きな〆切ものに追われ続けていた夏の日々が、
少し和らいで、執筆にたっぷり時間をかけています。
ゆとりがあると達成可能な〈1万文字以内〉という
メルマガの目安を、なぜか突破してしまいました、すみません。
これまでいくつも
「どういうワークショップをしているか
 具体的に知りたいです」という声が
届いているので、それにお答えして
今週あった「うるまキッズ サマースクール」の様子を
詳しく紹介してみました。

今週もお楽しみください。

発想法の章から

🟧素直な考え方からは科学は生まれない
 ところでひねくれた考えが良いか悪いかということと関連して考えておきたいのが「素直な考え方からは科学は生まれない」ということです。
 素直に考えたら〈太陽が地球の周りを回っている〉ようにしか見えません。
 原子なんていうのも目に見えないわけですから〈原子は存在しない〉というように考えられるのです。
 だから科学についても素直な考え方、素直な目で見るのではなく、〈ひねくれた〉考え方をすると当たることがあるのです。
 変な考え方は、普通は正しくないのですけど、普通の考え方だけだと裏が見えなくなってしまう、ということは科学についてみても言えるわけです。
 結局、どれが正しいかは実験で決めるほかないのです。
子どもたちに「これがよい」と思って授業をやった。
「よかれと思ってやるのだから、よい結果になるだろう」と考えるのは、相当にオメデタイ考え方です。
 私のように〈ひねくれた〉人間はそう考えません。
「あの人は、よかれと思って一生懸命やっているから、結果として子どもをイジメているのではないか」と考えてみるのです。
 そんなことはよくあるでしょう。
「よかれと思ったことをやっているのだから、いい結果になる」と考える人たちに対して「よかれと思ったことをやるから悪くなる」という〈ひねくれた〉考え方があるんです。
 どっちが正しいか分からない。
 だから実験で決めるのです。
 そしてその結果、
「この場合は、意地悪な考えがよかった」


「この場合は、真っ当な考えの方がよかった」
とはっきりわかるのです。
 科学というのは、そうやって何が正しいかを決めてきたのです。
〈心清き人がいい結果を思いつくものではない〉ということは、近代科学の大きな研究成果です。
 自然科学については「〈心清き人が正しい法則を見つける〉というのはウソだ」ということは分かる。
 社会の科学だとなかなか分からない。
 やっと最近になって「社会の科学も実験しなければ分からない」
 ということが分かってきたようだけど、本当に分かった人はほとんどいない状況です。社会の科学の見方が全然おかしくなっているのです。
 だから「素直な考え方と〈ひねくれた〉考えのどちらが正しいか、そのつど実験して決めよう」という精神がないと、近代科学にならないのです。

 

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「速読」と「ゆっくり読書」@楽しい福祉&教育 の発想法

たのしいブックレビューを楽しみにしています
というお便りをいただきました。

あれこれ紹介したい本があるとはいえ、
最近、パッと本を読んでしまって反省したことがあるので
そのことを書いてみたいと思います。

一時期の速読ブームは過去のものになった感ありです。

「いやいや、速読ブームはまだまだもりあがっているぞ」
ということだとしたら、すみません。
私の勉強不足です。

私は学生時代
速読ブームが始まる前
自分の読書スピードを
あげたことがあります。
きっと、読みたい本に加えて読まなくてはいけない本が
増えていったからだと思います。


その後、深く考えることがあり
読書スピードを落としました。

読書スピードを落とすためにかかったのは
スピードを上げるためにかかった年月より
長くかかりました。


⭐️

 随分前にヨーロッパ旅行をしたことがあります。
海外旅行が初めてだったので
旅行者の観光ツアーに参加しました。

これがエッフェル塔です。
これがモンブランです。
この国はスイスです。
この山には戦闘機が飛び立てるほどのトンネルがあります。
アルプスの少女ハイジはこの山小屋がモデルになっています。

写真をたくさん撮って、それなりに楽しむことができました。

その後、赴任した学校の先生たちで
北海道旅行にいくことになりました。
先輩の先生ツテで旅行社の方がついた旅行でした。

大山
層雲峡
オホーツク
襟裳岬
etc.

たくさんの場所を観てまわりました。

これまでたくさんの旅をしてきた中
ツアーはその二回のみです。

なぜか?

好きなところで立ち止まり
風の心地よさをたっぷり味わう

またいつかこの場所を訪れようと
地図を開いて記録する…

河に降りて水をすくって味わい
冷たく清涼な味わいに感動する

セミの鳴き声に車を停め
木の表皮を眺めながらセミの姿を探し
沖縄のセミたちよりずっと小さいその姿に感動する

あれ、さっき何気なく通過したけど
下眺めたらなんかすごい風景がひろがってるんじゃない?
そう考えて引き返し、車を停めて端っこから覗き込む
切り立った崖の下に田畑と民家が見えて
こういう処で暮らす人たちがいることに強く心打たれる

時間に追われるツアーでは、こういう感動は味わえません。

ツアーで行った層雲峡より
北海道の岬で湯を沸かし
のんびり珈琲をたてて味わった感動は
ずっと強く残っています。

ホテルで食べた一流メニューより
地元の人たちが昼時に通う
街角の食堂のカツ丼が美味しくて
たまたま通りがかったお豆腐屋さんで食べた
寄せ豆腐(ゆし豆腐@おきなわ)の味が
身体に染み入ってきたことは今でも忘れられません。

両方しっかり体験した速読と味わいながらの読書の違いは
それと同じことだと思います。

⭐️

雑誌のタイトルや目次を速読するのはアリでしょう。

心動かされる読書つまり《たのしい教育》として本に親しむなら
ゆっくり味わいましょう。

立ち止まって考える。
時々ペンをとって想いを記しながら
読み進める。

迷子になったら戻って読み返す

それが人間を豊かにしてくれる
本との付き合い方だと思います。

速い方がよいと思ったら車やバイクで
たとえば倉敷街を駆け抜けてみたらよいでしょう。

行ったという記憶は残るし
その時信号待ちで撮った写真をUPすれば
SNSで「いいね」がもらえるでしょう。

大好きな〈もえがらさん〉がいう
「ある人たちの幸せは、周りの人たちの〈いいね〉で成り立っている」
という、その幸せは味わえても
倉敷の街の風や、堀をたゆたう鯉の姿、
そこで過ごす人たちとの会話に心動かされることはありません。

「いいね」で成り立つ幸せ、
「え~、その作品よんだんですか、すごいですね」
で成り立つ幸せと
たとえば写真家 星野道夫の作品に感動して
リュクを背負ってアラスカの山を旅する幸せと
どちらが人生にとって深くかえがたいものか…

速読もゆっくり読書も
本気でしっかり体験してきた私には
はっきりとわかります。

以前書いたと思います。

寺田寅彦の周りにあった雑誌や書籍は、
今私たちの周りにあるものと比べれば
絨毯と針の先ほど大きな違いです。

でも寅彦さんが深く味わったような読書を
私たちはいくでも味わえるのか?

全然違います。

長くなりました。
ここまでにしましょう。
ご意見、ご感想をお待ちしています。

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心の奥のコタツに足を入れてくつろぐような、柔かいフトンにもぐり込むような気持ちになることができる絵本がいくつかあります@安野光雅さんの「子どもの季節」

 忙しさのピークには椅子をフラットにして横になり近くの本を取ります。

 絵本は、山歩きでくたくたになった身体を癒してくれる

 柔らかい布団のような感覚です。

 寒い日に足をのばして

 身体を暖めてくれる

 コタツのような感じがします。

 今日手にしたのは安野光雅さんの「子どもの季節」(岩崎書店)です。

 もう何百回となく、こうやって横になり手にしてきた本です。


作者の安野光雅さんのことは以前も書いたと思います。

 大好きな絵本作家で、ふるさとの津和野も何度か訪ねたことがあります。

 wikipediaに感謝して人物について一部、引用させていただきましょう。

35歳のとき教師を辞して絵描きとして自立する。

1968年(昭和43年)、42歳の時に刊行された最初の絵本『ふしぎなえ』(福音館書店)で絵本作家としてのデビューを果たす。

『ふしぎなえ』は、1961年にフランスを旅したときに目にしたエッシャーの絵に大きな影響を受け不可能図形の不思議な世界を描き、世界中で評判となった代表作である。

エッシャーからの影響についてはエッセイ「『ふしぎなえ』について」(「空想工房(平凡社)」)で自ら「エッシャーの作品に魅せられて呪いにかかった」旨を述べている。

安野光雅美術館

その後、次第に世界的評価が高まり、絵本は世界各国で翻訳された。

画家としても数多くの作品を発表し、司馬遼太郎の紀行文集『街道をゆく』の装画も担当した。

文学にも詳しく、著述家としても活躍した。大阪府立国際児童文学館(1984年開館)のシンボルマークも担当した。

劇作家の井上ひさしが主宰する劇団こまつ座の宣伝美術を数多く手がけた[7]

1996年からちくま文庫で刊行されたシェイクスピア戯曲の松岡和子による新訳シリーズでは、全巻の表紙画を描いている。

2001年の春、故郷の津和野町に多くの作品を常時展覧する「安野光雅美術館」が開館した。

2011年の夏に神奈川近代文学館で、展覧会「安野光雅の世界」が開催された。

2015年の夏には東京の東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館で、展覧会「旅の風景 安野光雅 ヨーロッパ周遊旅行」が開催された。

2017年には京丹後市にも常設の美術館「森の中の家 安野光雅館」が開館した。

2020年12月24日、肝硬変のため死去した[1]94歳没。墓所は所沢市所沢聖地霊園。

 とてもたくさんの本の装丁を手掛けているので、
 きっとみなさんもどこかで目にしていると思います。

『子どもの季節』にはつい笑顔になってしまうような作品がいくつも収められています。

 カミナリ様はゴロゴロという音を響かせるための「雷太鼓(らいだいこ)/連鼓(れんこ)」と呼ばれる道具をもっていると考えられています。

 これはそのタイコをうっかり落としてしまったカミナリさまが、それをなんとかつりあげようとしているシーンです。

 右下の子どもたちもとてもいい。

「おい、降りてこい、勝負しよう」
とでも言っているのでしょう。

 次のページでは、のびてしまったカミナリさまが描かれています。

 子どもたちと闘ってのされてしまったのでしょうか。
 それとも滑って落ちてしまったのでしょうか。

 この絵の中に、さっき闘いを挑んだ子どもたちが描かれているでしょうか?

 ぜひ実際に図書館などで手にとって読んでみてください。

 黄色いスカートの子は、お医者さんをカミナリさまのところに連れていこうと大急ぎです。

 担架を手にして走っている大人や、駐在さんもいます。

 いったいこのあと、どういう展開になるのでしょう。

 考えるだけでワクワクしてきます。

 みなさんも、その後の展開を考えてみませんか。

 住所はどこで、仕事は何と答えるのでしょう。

 闘いを挑んだ子どもたちは、その後どうなるのでしょう。

 いつかみなさんの頭に浮かんだことを教えてもらいたいです。

 

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板倉聖宣「〈実験するまでもなく正しい〉というのがこれまで教育スタイル」@楽しい福祉&教育@「大地は平面だ」と考える人たち@読者の皆さんに感謝して綴る

 みなさんのおかげでこのサイトの人気は上々です。

 1日いちにち、私にとっては〈Every Day〉というより《Every Single Day》の営みの中、はじめの頃は夢のようだったたくさんの人たちに、文章を読んでいただけるようになりました!

芸能や気になるニュースなどの派手さのない〈教育や福祉〉関係のサイトで毎日数千アクセスあるサイトはなかなかありません、ぜひ周りの方たちにも広めていただけませんか。

 これは今朝早くのアクセス数と昨日のアクセス数です、昨日は10,000アクセスに迫る数字です。今日もたくさんの方たちが見てくれると考えると書いている手にも力がこもります。


 何度も書いているのてすけど、このサイトをはじめた時は一日10アクセスあることに大喜びしていた日々でした。以前利用していた会社のサーバーがダウンして、数ヶ月ほどサイトが消えてしまい、別なサーバー会社に移って一からスタートした時にも一日数十人、数百人というアクセス数になりはじめた時にも、とても喜んでいました。
 それがすでに1日千アクセスが普通になってきました。
 目標は1日一万アクセスです。
 そんな日々でも、はじめの頃の気持ちと、今のようにたくさんの人たちから反響や質問が届く今日この頃の気持ちと、どちらも大切にして書き続けていきたいと思います。
 これからもよろしくお願いいたします。

⭐️

 〈たのラボ〉の前章は40年以上前、伊良波さんとはじめた〈仮説実験授業サークル〉です。今でも伊良波さんからいろいろインスパイアされています。

 これまで分けてもらった資料を整理していると仮説実験授業について触れた内容に「まさに」と膝をうち、同時に「残念なことに今でも変わらない教育の実情」に複雑な思いを抱いています。

 伊良波さんが心に残る部分を書き抜いたファイルです、メモには「2006年6月10日 たのしい障害児教育入門講座 in 東京」とあります。
 校正を加えて少し引用しましょう。

板倉聖宣
 仮説実験授業というのは言葉通り「実験的に教育を研究する」と書いてあります。

 これまでの教育は 「実験するまでもなく正しいことをやっていこう」ということです。

 「正しいことをやっていく」というのですから「〈何 が正しくて何が正しくないか〉ということは自明のことだ」というのです。

 世の中には悪い教育をする悪い人たちがいる。
 私たちはいい方の人間で、悪い教育をする人たちに抵抗して〈いい教育〉をすすめる」という図式です。

 いいこと悪いことなんていうのは初めから決まっているわけがないんです。

 A さん からすると〈ある考え方〉は正しいに決まっているんだけど、Bさんからすると〈別な考え方が正しい〉に決まってい るということになると思うんです。

 その後、すぐに別な話題に移っていったので、ここまでの文章で止めておきます。

「正しいに決まっているから授業する」
 教師のほぼ全員がそう考えているでしょう。

 逆に「教科書で正しくないことが書かれているのか?」と問いかけたくなる人もいることでしょう。

 それについて書くのはメルマガのボリュームになるので、そこに譲るとして、ここで問いかけたいのは
「正しいに決まっているからちゃんと聞きなさい」というスタイルで授業するスタイルが、どれだけ子どもたちの興味関心を削いでいるか、ということです。

 たとえば、私たちは普通に「地球」という言葉を使っています、それは「この地面が〈球体〉である」という知識を前提にした言葉です。

「フラットアース国際会議(FEIC)」といって地球平面説を信じる人々(フラットアーサー)が世界中から集まる大規模なイベントがアメリカのテキサス州やノースカロライナ州などで定期的に開催され、数百人規模の参加者が集まり科学的常識や宇宙開発を否定する議論を交わしていることをご存知でしょうか。

 地球平面協会(ちきゅうへいめんきょうかい、Flat Earth Society)といって、聖書にある言葉を大切にして「大地が球体ではなく平面体であるという信念を支持する団体」があることをご存知でしょうか。
「カナダ地球平面協会」という団体もあります。

 キリスト教原理主義運動の一環で、地球は丸い形をした平面であると考えています。これはその人たちが描く世界地図です。

wikipediaに感謝して引用

 

 その人たちが「地球」という言葉を耳にしたら「地球は平たい」と反論してくるでしょう。

 もちろん「ほら宇宙から撮った地球の写真をみてごらん、地球って確かに丸いよね」と言ったって「捏造だ」で一蹴されるでしょう。

 その人たちに、一体どうすればこの地球が丸いことを信じてもらえるでしょう。

 そもそも子どもたちにとっても、この大地が「実は球体だ」ということは信じがたいことです。

 そういう中で押し付けなく楽しくすすめられる授業が「たのしい教育」です。

「たのしい教育」は〈これが当たり前だ〉という視点からスタートすることはありません。

 押し付けでなく、ワクワクする構造で授業プログラムを構成していきます。

 今週開催される「自由研究まつり」でも、昔の人たちが〈え、ほんとうなの?〉と驚いた内容をとりあげます。

 早く当日が来ればよいのに、と楽しみにしている日々です。

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