ブルーベリーとそっくりな花(その2)/ファミリー(科)の見方・考え方

 さて、ブルーベリーとスズランの花が似ている、という話の続きです。未読の方は戻ってお読みください。

 私は〈似ている〉と思っているのだけど、ファミリー(科)も同じなのかは確かめてみなければわかりません。

 それと同時に「予想」を立てておくことが肝心です、楽しく賢くなるからです。

 私はスズランの花を直接みたのは30年以上前くらいなので、姿かたちをハッキリ思い出すことができません。なので〈花の形が似ている気がする〉レベルです。

 缶で育てたスズランでした。

 全体の大きさは20cmくらいだったんじゃないかな、ブルーベリーは1mを超すのであまりにも違います。とはいっても、缶で育てたら小さいままということは考えられます。

 ま、はっきりした記憶はないままにブルーベリーとスズランは『同じファミリー(科)』だと予想しておきましょう。
 違ってたら、それでまた賢くなります。
 しかもドキドキして楽しくなります。

 予想を立てたら確かめてみましょう。

 これは前回出したブルーベリーの花です。

スズランの花は?

 ・・・これです。

「のよりっこのブログ」に感謝して引用

 どちらも〈つり鐘〉〈ちょうちん〉のような花の形だとはいえ、つき方がどうも違う感じがします。
 思っていたより似てないな。

 もっと詳しく調べてみると、ブルーベリーの花びらは5枚が基部で合着して筒状になり、スズランの花びらは6枚が基部で合着して筒状になっています。
この《花びらの枚数の違い》はファミリー(科)を分ける大きな手がかりになります。

 ちなみにブルーベリーと同じツツジ・ファミリー(科)の「アセビ/馬酔木」も花びらの数は5枚です。

 もっと自由研究をすすめましょう。

 花びらの中のつくりを見てみますよ。

 これはブルーベリーの花の中です。

「トロピカルフルーツネット」に感謝して引用

 これは「スズラン」の花の中です。
〈シベ/蕊〉、おしべ・めしべの姿かたちがかなり違います。

「風の松原植物調査」に感謝して引用

 スズランもブルーベリーもメシベの数は1つです。※スズランのメシベの形をみると〈本〉と数えるより〈1つ〉と数えた方が自然です

 オシベの数は異なります。
 スズランのオシベは6本、ブルーベリーは10本です。※ブルーベリーはかなり改良が進んできてオシベが8本の品種もでてきています

  アセビのオシベも10本です。

《シベの本数の違い》もファミリー(科)を分けるとても大きな手掛かりになります。

 では、全体のつくり確かめてみましょう。

 これはブルーベリー、1m~2mくらいまで大きくなると書かれています。

free images USAに感謝して利用

 こっちはスズランです。全体の画像がなかなか見つからないのでwikipediaにある画像を載せましょう、全長15~20cmくらいです。

wikipediaに感謝して引用

 ブルーベリーは〈木本:茎が木質化して太くなる植物〉で、スズランは〈草本:茎が柔らかく、一年または数年で枯れる植物〉です。

 木本なのか草本なのかもファミリー(科)を分けるとても大きな手がかりです。

 もう一つ、葉の姿かたちに注目してください、…全然違う。

 葉の姿かたちもファミリー(科)を分けるとても大きな手がかりです。

 

 スズランは『キジカクシ・ファミリー(科)』の植物でした。
 ブルーベリー、アセビは前回紹介したように『ツツジ・ファミリー(科)』です。

「何となく花が似ているから、もしかして同じファミリー(科)なのかも」と予想して調べてみたら、ぜんぜん違うファミリー(科)ですね。

 それも〈予想〉を立てたからはっきりしたことです。

 しかも私自身がとても楽しく自由研究をすすめることができました。
「まあ、違うだろうな」という予想から出発しても、予想を立てて確かめることで確実に楽しくなります、賢くなります。

 おかげさまで〈たの研/たのしい教育研究所〉の公式サイトは、〈たのしい自由研究〉というキーワードでも、〈楽しい自由研究〉というキーワードでも10位以内に入りました。〈面白い自由研究〉の検索順位もどんどん伸びてきています。『学研』や『ベネッセ』、自由研究に特化したサイトなどに食い込んで、沖縄の一NPOが大きな結果を出したと思います。
 みなさんのおかげです、心から感謝しています。

 これからもよろしくお願いいたします。

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ブルーベリーとそっくりな花(その1)/ファミリー(科)の話

読者の方から花の写真が届きました。

 可愛い花たちです。

何の花でしょう?

 ブルーベリーの花です。


 ところで、これは違う花です。

 3枚目の花は「アセビ」、1&2枚目のブルーベリーの花にそっくりですね。

 読者のみなさんも、花も葉もこれだけ似ていたら同じファミリー(科)の花だろうと考えるでしょう。

 その通りです。

 どちらも《ツツジ・ファミリー(科)》です。

 アセビは「馬酔木」、馬が酔う木と書きます、漢字から予想されるように、毒を持っていますから食べてはいけません。

 でもブルーベリーは美味しい果物です。

 同じファミリー(科)でも美味しかったり毒性があったり、不思議ですけど、進化の過程でそういう違いは出てきます。

 似ているといえば「スズラン」の花も形が似ている感じがします。

 同じファミリー(科)なのでしょうか?

 長くなりそうなので項をわけて書くことにしましょう。

 予想を立てて待っていてくださいね。

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理想をかかげて妥協する@楽しい教育の発想法 『新哲学入門/仮説社』

 〈たの研〉の設立当初から強く応援してくださった師の板倉聖宣(元文科省教育研究所室長/元日本科学史学会会長仮説/実験授業研究会初代代表)から学んだことはいくつもあります。

 初期の〈たのしい教育メールマガジン〉で書いたものです。

「理想を掲げて妥協する」ということ 板倉聖宣
新哲学入門 p180から
                      

 私が私なりに築いてきた人生論的な教訓の一つに
「理想を掲げて妥協する」
という言葉があります。

 

 「理想のためにガムシャラに頑張る」という考え方とは違った生き方を示す言葉です。
 私は小さいときから
「理想というのは妥協を許さないものだ」
と教えられてきたような気がします。
「理想というのは、いつでも貫き通さずにはいられないものだ。そうしなければ理想の意味がない」と教わったような気がします。

 そこで、私も少しはそのように頑張ろうとしたことがあります。
 しかし、そういう生き方をしようとすると、すごくくたびれるのです。

 たとえば、「科学的な生き方をする」というのが私の理想の一つでした。
 そこで、私は「非科学的なものとは非妥協的に闘わなければならない」と思いました。

 私はなんでも徹底的にやらないと気がすまないところもあるので、反科学的な迷信はもちろん、非科学的な宗教も認めたくありませんでした。

 しかし、人々が迷信に左右されているのをいちいちチェックしていたら大変です。それに、宗教的行事の一つひとつに反発していたら、これまた大変です。

 それでも私は「自分の思想に忠実に生きたい」と思い、自ら「無神論者」と称して、そういう問題をあまり気にしていない大人たちに反発を感じたものでした。

 でも私のように、徹底的に生きていこうとしたら大変なのは明らかです。
 そこで、多くの大人たちは、社会のしきたりに大幅に妥協して生きていくことを余儀なくされたことは明らかです。

 私も、自分が大人になるにつれて、そのことを理解しないわけにはいきませんでした。そこで私は「自分の思想は思想として、他人の考えも認め、多くの人々と妥協して生きていくことが大切だ」ということを認めるようになりました。

 

 こういうと「そんなのは誰もがやっていることで、ことさら新しい考えでもなんでもない」といわれそうです。

 たしかにそうです。

 しかし、私はこれまで理想と妥協をセットにして考えて生きるといったものに出会ったことがありません。

 そこで私は、若い人々に対して「理想を掲げて妥協する」という生き方の重要性について語るようにしました。
 すると、かなり多くの人々から喜ばれたので、改めて「これまで多くの人々が私と同じように、理想と現実との間にはさまって、どう考えたらいいか戸惑っていたのだなあ」と思い知ったものでした。

 「理想を掲げて妥協する」というのは、そんな言葉は知らなくとも、実際に多くの人々がやっていることです。
 しかし「はっきりとそのことを自覚して行動するのと、自覚しないで行動するのとでは、まったく違うところがある」ようです。

 

 たとえば、私は
「大きな数は234,567などと三桁区切りで書くよりも、23,4567などと四桁区切りにしたほうが読みやすくていい」
「昭和とか平成などという元号は、年代がわかりにくいから西暦で書いたほうがわかりやすい」
と思います。
 そこで「できることならみんなに四桁区切り、西暦表示にしてほしい」と思っています。
 これも、私のちょっとした〈理想〉のひとつなのです。
 しかし、いくら私がそう思ったところで、世の中の人々はなかなか西暦表示や四桁区切りにしてくれません。

 仕方なしに、現実と妥協しているのですが、
「妥協をしつつも理想を守る」
「理想を実現できるチャンスがあったらどしどし実行する」
という気持ちで生きていると、けっこう四桁区切り、西暦表示を実行することができます。

 たとえば、私自身が「編集代表」となっている『たのしい授業』(仮説社)という教育雑誌では、数表示は四桁区切りを通し、西暦表示にしています。自分たちで決めて差し支えのないことは、自分の理想通りに実現できるからです。

 世の中には、私と同じように「数字は四桁区切り、西暦表示が便利だ」という意見の持ち主は少なくありません。ところが、それなのに、部分的にも四桁表示、西暦表示がなかなか広がらないのは不思議なことです。

 元号法制定のときにはそれに反対した歴史学者でさえ、自分の著書の奥付を元号表示にしていることが少なくありませんが、これはどうしたことでしょう。

 法律がどうであるにせよ、自分の著書ぐらい元号を使わないで西暦表示する自由はあるはずなのです。
 多くの人々は「自分の理想がそのまま現実化しない」ことを知って、理想を忘れてしまったように思われてなりません。

 私だって公務員ですから、「元号法」の手前、公式文書だけは元号で書かないと法律違反に問われることもあるわけですが、自分たちの編集・発行している雑誌などは公式文書ではないのですから、そこまで妥協する必要がないわけです。
 
「理想を掲げて妥協する」というのは、「妥協せざるを得ない事情が支配するところでは妥協する」ということであって、「理想を捨てる、忘れる」ということではありません。

自分の理想にばかりこだわっていると摩擦が大きくなりすぎるときは妥協し、「妥協しなくてすむような条件下では、日頃の自分の考え、理想をどしどし実現する」ということなのです。
多くの人々はそういう考え方ができないように思われてなりません。

「理想を掲げて妥協する」
 みなさんの生き方にも関わってくるものかもしれません。

もっと読みたい方はこちらから⇨https://amzn.to/3FX8Axh

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まだ野の花々は少ないけれど楽しい野山さんぽ『ユウゲショウ/夕化粧』に出逢う/野山さんぽで楽しい面白い自由研究

 4月になったにも関わらず寒の戻りで驚いていいます、そんな中でも少しの時間で野山さんぽは楽しめます、何なら近くの公園でもよいでしょう。

 まだ野山にいろいろな花が見られるわけではありません。

 先日歩いた場所はかなり花が少なかくて、空や山の景色を眺めながたのしんでいたら、足元に可愛い花を見つけました。

 数ミリくらいの小さな紅色の花です。

 Googleの画像検索で調べてみると『ユウゲショウ/夕化粧』という詩的な響きの花でした。

 大きさはかなり違っているけれど姿かたちは〈ツキミソウ/月見草〉にそっくりです、花びらの形状、しべのつき方ほか同じものばかりです。

花屋さん「FLOWER」のサイトに感謝して引用

 これだけ似ていて別の仲間だということはあり得ないでしょう。

 調べてみると、どちらも「アカバナ・ファミリー(科) マツヨイグサ属」でした。

〈ユウゲショウ〉という化粧のイメージから〈オシロイバナ/白粉花〉と間違ってしまう人が多いとあるけれど、私にはそういう混乱は生じません。向こうはぜんぜん別の種類です。

オシロイバナ wikipediaに感謝して引用

 それより琉球沖縄の私たちには〈アカバナ・ファミリー(科)〉のアカバナが気になります。

 沖縄でアカバナ(アカバナー)といえば〈ハイビスカス〉の種類ですから、名前だけみると混同してしまいます。でも沖縄のアカバナは通称(ニックネーム)で正式名称ではありません。ぜんぜん違う種類です。

アカバナー、ブッソウゲ、ハイビスカス wikipediaに感謝して引用

 野山にはまだ花は少ない日々、ふとみつけた夕化粧(ユウゲショウ)で楽しい自由研究の扉が開きました。
 でも考えてみると人生そのものが自由研究です。

ユウゲショウ(夕化粧) wikipediaに感謝して引用

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