〈たのしい教育メールマガジン〉の発想法の章に書いた記事に反響がいろいろ届いています。
〈たの研〉のメンバーから質問された「タレントKさんの不思議体験をどう捉えたらよいか」という話への答えです。Kさんの不思議体験というのは〈友人が亡くなってあと、はっきりとした姿で自分の目の前に現れて、家族への伝言をお願いした〉ということです。Kさんの話は、嘘を言っているようにはぜんぜん思えないとのこと…
私の答えの一部を切り取って紹介します。
廊下に人影が見える
以前勤めていた小学校にいた頃の話、霊感が強いことを自認するC先生が、一人残って成績処理をしているとき、廊下に人影が見えることがたまにあるという話をしていました。
暗い状況で光源が限られていると、何かの影が強調されて見えることはよくあります。風でゆれるカーテンの影が人物にみえることもあります。
人間の意識というのが完全でないことは、脳科学者たちが数々の実験で確かめてくれています。たとえば下の二つの中心の円(青)は明らかに左の円が大きく見えてしまうのに測ってみたら同じです。
「いや私が見たブルーの円は左が絶対大きかった」と主張しても、それはそのように見えてしまっただけで、実際測ってみたら、ぴたりと同じ大きさです。
意識・脳は勝手にいろいろな判断をすすめるので、思い違いがたくさん起こってしまうのは、避けられません。
つづく
結局なにが正しいのかをはっきりさせる方法は、板倉聖宣が明らかにしたように〈仮説実験〉の手法しかありません。それが無理なら、科学的に証明されたことをベースに考えていくことです。
どちらの方法もとらない、とりたくない、としたら「あのおじいさんが灰をまいたら枯木に花が咲いたんだよ」という、おとぎ話と同じところにおいていた方がよいでしょう。「わたしは寝ている間にUFOに乗せられて宇宙人から世界の秘密を授かった。来る◯年◯月にはとんでもないことがおこる」と語る人たちもいます。その人が嘘をついているように思えないなら信じないといけないのか?
そういう問題と一緒です。
例示したように、人間の意識・脳はいろいろな思い違いをするものだし、そのうち、時間が経てば真偽が見えてくることもあります。
世の中には不思議話、霊の話、スピリチャル系の話にあふれています。
たのしい教育の発想・原子論者の発想をはっきりと書く人はとても少ないので、こういう話を求めている人たちもいます。私の感覚では、ゆっくり増えているように思います。
何しろキリスト教の国アメリカでも無神論者が増えてきているということですから、こういう見方・考え方に注目してくる人もいるのでしょう。
毎週発行のメールマガジンでは、さらに詳しく解説しています。興味のあるかたはお問合せください。
※
原子論的な見方・考え方は板倉聖宣先生の『科学的とはどういうことか』の中にわかりやすく書かれています。『スプーン曲げ事件の反省 マスコミ操作に踊らされないための科学』『コックリさんはなぜ動く 自己催眠のおそろしさ』『「超能力で当たった」という話 追試が出来なければ科学にはならない』など、今回の不思議話とダイレクトに関わるテーマも取り上げられています。
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